ニューヨーク州南部地区の連邦地検によると、郭は2018年ごろからこの詐欺を指揮し、インターネット上のフォロワーら数千人をだまして自身の会社のGTVやヒマラヤ・エクスチェンジに計1億ドル超を出資させたとされる。
開示された起訴状によると、郭と仲間のウィリアム・ジェは証券詐欺、通信詐欺、国際的なマネーロンダリング(資金洗浄)、など12の罪に問われている。
当局は昨年9月から今月にかけて、郭側が不正に得たとみられる6億3400万ドル(約840億円)を押収。うち3億8900万ドル(約520億円)は、暗号資産(仮想通貨)に特化した金融機関で、8日に事業閉鎖に追い込まれたシルバーゲート・キャピタルと紐づけられた銀行口座に置かれていた。
郭はだまし取ったお金を、ニュージャージー州の4000万ドル(約53億円)の邸宅や350万ドル(約4億6000万円)のフェラーリの購入など、ぜいたくな暮らしをするのに充てていたという。
郭は、ドナルド・トランプ前米政権で首席戦略官を務めたスティーブ・バノンと親交があることでも知られる。フォーブスのビリオネアリストにも名を連ねたこともあるが、スイスの銀行大手UBSからマージンコール(追加担保の差し入れ要求)を受けた結果、5億ドル(現在のレートで約660億円)を失い、2016年に脱落している。
郭の弁護士にコメントを求めたが、現時点で回答はない。
郭はフォーブスの2017年のインタビューで「わたしのお金はクリーンだ。すべて衆人環視にしてもらってもかまわない」と語っていた。
(forbes.com 原文)