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2023.03.27 16:00

「人が手掛けないことこそやる」創業の精神が道しるべ 自動車部品メーカー、デジタル時代への次なる一手とは

創業の精神を貫くこと。それと同時に、これからの時代を担っていく若手に仕事を任せて大暴れしてもらうこと。

日本の自動車産業界にビジョナリーカンパニーとして存在感を示す東海理化はいま、既存事業と新規事業の両輪で進化の途上にある。



愛知県に本社を構える東海理化は国内有数の自動車部品メーカーであり、北米やアジアを中心に世界各地に拠点を構えるグローバル企業だ。創業は1948年。いまも創業者の思いが息づいていると代表取締役社長の二之夕裕美は言う。

「トヨタのBM型トラックに搭載されるテールランプスイッチの製造から東海理化の歴史はスタートしています。当時、スイッチ製作は手間の割に利潤が少なく、誰もやりたがらないと言われていました。創業者の加藤由雄は『人が手掛けないことこそやる』という信念で事業を立ち上げています。この強い使命感が東海理化の創業の精神なのです」

現在の主な生産分野としては、ヒューマン・インタフェースシステム(スイッチ、シフトレバー)、セキュリティシステム(キーロック)、セイフティシステム(シートベルト、ステアリングホイール、アウターミラー)等が挙げられる。2022年3月期の製品別売上高は、スイッチ類が2,349億円で全体の約48%を占めている。スイッチで起業した創業者の志は脈々と受け継がれ、東海理化の強みとしていまなお磨かれ続けているのだ。

ベンチャーからビジョナリーに進化

“トラックは、これから日本を復興する際にも重要な道具である。トヨタは、それをつくって供給する責任がある。だから、そのつもりで再出発しよう。”

1945年8月16日、トヨタ自動車工業副社長の赤井久義は上記の所信を力強く表明した。47年3月から生産が開始されたトヨタBM型トラックは、戦後の国土および産業の復興のために日本各地を駆けめぐった。

「人が手掛けないことこそやる」というベンチャーの気概で復興の一翼を担った東海理化は、高度経済成長期の1960年代にはすでに長期にわたって繁栄する偉大な企業=ビジョナリーカンパニーとしてのカルチャーも併せもつようになっていた。

「日本の新車にシートベルトの設置が義務づけられたのは69年4月からです。北米をはじめとする世界の潮流を読んでいた東海理化は、その何年も前からいち早くシートベルトの開発を開始し、昨日までの常識が常識ではなくなる日に向けて準備していました」

安全地帯から飛び出して自ら進歩を促していけることこそ、永続する企業に共通するコンピタンスだ。進歩を渇望できる組織は強い。二之夕の視線は、進歩した未来をとらえている。

「これまでの東海理化は、ヒューマン・インタフェース、セキュリティ、セイフティといった分野の部品を手掛けることで、自動車のある豊かな暮らしと社会を支えてきました。これからは、創業者の時代から着実に積み上げてきた事業基盤をより強固にすると同時に、新たなチャレンジにもまい進していきます」

崖っぷち宣言から両輪駆動の経営へ

代表取締役社長として東海理化の変革のタクトを振るう二之夕は、トヨタ自動車出身だ。生産調査部主査、グローバル生産推進センター部長、元町工場や高岡工場の工場長、生産企画本部本部長などを歴任し、20年1月に東海理化にジョインした。

「東海理化は良品廉価なモノづくりで社会の繁栄に貢献しようとする会社です。自動車産業の拡大と共に成長してきました。これまでの時代は、たくさんのスイッチが付いている車が高級車と呼ばれてきました。しかし、これからの車には各種の機能を網羅したパネルが搭載され、スイッチによる操作がかつてほどは必要なくなるでしょう。私たちは、創業者の『人が手掛けないことこそやる』という信念を貫きながら、着実に、それでいてスピード感をもって進化を遂げていかなければならないのです」

20年1月に東海理化の副社長執行役員に就いた二之夕は、同年6月に代表取締役社長となった。そして、10月には未来に向けての課題意識を社内で共有するために上記のような趣意を示した「崖っぷち宣言」を発信している。これが、全社を挙げた改革への号砲となった。

「そこからは、既存事業と新規事業の両輪を力強く駆動させていく取り組みに着手しています。例えば、既存事業においては『スイッチをパネルに組み入れていくこと』や『これからも残るスイッチを進化させていくこと』などを思考し、22年に発表した『インテリジェントコクピット』に具現化していきました」

新規事業については、社内でアイデア公募を実施。触覚振動技術を利用した小学校特別支援学級・学校向けのICT教材、シートベルト端材を活用した鞄やペンケース、さらには地元地域を盛り立てていくイチゴ農園など、社員のアイデアが次々と事業化されている。「これらの東海理化の新規事業のなかでも、無限の可能性を感じているのがデジタルキー事業です」

東海理化では、セキュリティ領域の部品として長年にわたって車の鍵を開発してきた。暗号化技術や電波技術の進化に伴い、車の鍵の開け方を人々の生活に合わせて変化させてきたなかで、03年には車の鍵をモバイル端末で開ける技術開発に着手している。13年ごろからはスマホが鍵となるデジタルキーの開発を進め、19年ごろにはその営業活動を開始した。21年1月に二之夕はニュービジネスマーケティング部を立ち上げ、デジタルキー事業をさらに加速させた。

「22年1月には、前年に立てた『新規事業の中期計画』を達成するためにニュービジネスセンターを新設しました。これは、ニュービジネスマーケティング部(営業担当)とニュービジネス開発部(開発担当)を1フロアに集積したセクションです。既存事業の部隊とは別の組織にし集中を促したことにより、開発のリードタイムが大幅に短縮されました。こうした取り組みのなかで22年4月に生まれたのが、社用車管理システムです」

社用車管理システム「Bqey(ビーキー)」は、社用車の予約・アルコールチェックや日常点検記録・運転日報の記入・車の施解錠などのすべてをスマートフォン1台で完結できるユーザビリティを追求したサービスで、ペーパーレス化、業務効率化、経費削減を通じて、管理者が社用車のDXを実現することもできる。


社用車管理のDXを実現した「Bqey」 


「いま、私たちのデジタルキー技術は、店頭受付不要・待ち時間なしの新しいレンタカーサービス『Uqey(ユーキー)』にも結実しています(2023年2月より一部地域で先行導入中)。今後も鍵とその周りのサービスを次々とDX化していき、日々の暮らしに革新を起こし続けていきます」

BtoBだけでなく、BtoCも。車に乗っていても、車から降りていても。これからの東海理化は、社会のあらゆるシーンにおいてプレゼンスを発揮できる可能性に満ちあふれている。時代は変われど、創業時のベンチャー精神はいまも躍動しているのだ。

東海理化
https://www.tokai-rika.co.jp

Bqey
https://bqey.com/
Uqey
https://uqey.com/


にのゆ・ひろよし◎1984年に名古屋工業大学工学部を卒業し、トヨタ自動車に入社。グローバル生産推進センター部長、元町工場工場長などを経て、2017年に常務役員および生産企画本部本部長、TOYOTA GAZOO Racing Companyの生産担当に就任。20年1月、東海理化の副社長執行役員に着任。同年6月に代表取締役社長に就任。

Promoted by 東海理化 / text by Kiyoto Kuniryo / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro