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2023.03.25 17:00

勝敗やゴールがない「ピクニック紀」の新しい働き方とは 遠山正道 x 尾和恵美加

Bulldozer代表取締役 尾和恵美加(左)とスマイルズ代表 遠山正道(右) 写真=若原瑞昌

尾和:まさに私は新卒で入ったコンサルティング会社で、仕事が全然できず、全く声がかかりませんでした。
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「このままじゃやばいな」と思い、当時AIのシンギュラリティが起こると言われ始めたぐらいのときだったので、「この先、人間ってどうするんだろう」みたいなことを自分と重ね合わせて考えたりしました。それが、今のアート思考という形に着地しています。

遠山:お声がかかっている間はいいけれど、お声が掛からなくなったときのことも考えないとね。100歳までお座敷にお声がかかるなんて思わない方がよくて、自分から仕掛ける側を常にやる。

言い方を変えれば、クリエーションすること。そこから、失敗や大変さを経験したり、面白さを発見したり、「思いついちゃったけどどうしよう」みたいなワクワク感を味わったりしたらいいと思います。

尾和:その「ワクワク」が重要な気がしますね。「ワクワクするから仕掛ける」が、次の時代の「働く」のまさにキーワードなんじゃないかと思います。

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遠山:アーティストは仕掛ける人の代表ですよね。
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尾和:そうですね。通常のビジネス、我々が生活者として恩恵を受ける価値にも、「仕掛ける」みたいな自分で考えられたものが増えると、もっとワクワクが増えるんじゃないかと思います。そういう時代になってほしいと思いながら事業をしています。

遠山:私はアート思考というより、アーティスト思考なんですよね。アーティストの思考の順序と起業家のそれは同じようなものだから、アーティスト思考はビジネスパーソンの中にも普通にあります。アートよりもビジネスの方が領域も広いし、お客さんも桁違いに多いですよね。絵を描いて、1人の人がいいねって言って持っていってくれるのもすごく嬉しいけど、ビジネスはもっと大きな広がりがあります。

私は商社に勤めているときに、個展を開催して、直接世の中に提案して直接評価を得ることの喜びを知りました。このまま仕事をしている場合じゃないと思って、起業したくなり、食の方に行ったんです。「Soup Stock Tokyo」をやり始めたら、スープの方が面白くて。直接胃袋に入れて、よかったとか、人にあげたら喜んでくれたとかを聞くことができるし、私の母の最期の食事になったのもうちの参鶏湯でした。
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構成・文=ひらばやしふさこ 写真=若原瑞昌

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