独自のセーフティネット
デジタル銀行の大半は、独自の銀行免許を持たず、米連邦預金保険公社(FDIC)の保護対象ではないが、彼らは伝統的な銀行との提携により、顧客にセーフティネットを提供している。マーキュリーは13日から、預金の保護の上限を以前の100万ドルから300万ドルに引き上げた。FDICの保護の上限は25万ドルに過ぎないため、同社のようなフィンテック企業は、数十の銀行のネットワークに顧客の資金を分散させてセーフティネットを広げている。Brexも、同じスキームで預金を分割して複数の銀行に送り、200万ドル以上のFDICの保護を提供している。
しかし、このような仕組みを構築してもリスクはゼロではない。SVBで発生したような取り付け騒ぎが起これば、フィンテック企業を支える銀行ネットワークも崩壊する。
それでもなお、マーキュリーと提携する小規模銀行は、自分たちがはるかに大きな競争相手よりもリスクが高いという指摘を否定している。ノースダコタ州ファーゴのChoice Bank(チョイス・バンク)のブライアン・ジョンソンCEOは、自分の銀行はSVBのような長期間の投資はしていないと主張する。
「私たちは資本力があるだけでなく、非公開の企業だ。非公開であることにより、SVBを苦しめたような四半期ごとの利益を上げなければならないというプレッシャーを避けられる。長期的な株主がいれば、パニックになることもない」
ジョンソンCEOによると、チョイス・バンクには先週約15億ドルの新規の預金流入があり、その約90%がマーキュリーを通じてのものだった。
(forbes.com 原文)