スポーツ

2023.03.17

大谷翔平、フリーエージェントで大リーグ初の600億円超の契約か

Photo by Tom Pennington/Getty Images

ロサンゼルス・エンゼルスのオーナー、アーティ・モレノは1月末、達成すべき「やり残したこと」があると述べ、チームの売却に向けた「探索的プロセス」を中止することを発表している。 
 
2014年以来のポストシーズン進出を目指すことに加え、モレノが今年抱えるもう1つの課題は、2021年のアメリカンリーグ(AL)MVPで、昨年は同部門でニューヨーク・ヤンキースのスラッガー、アーロン・ジャッジ(30)に次ぐ2位だった大谷翔平(28)をいかにとどめるかということだろう。 
 
大谷は、2023年シーズン終了後にフリーエージェントになる。 
 
2022年に15勝9敗、防御率2.33の成績を収めた大谷は、エンゼルスの不動のエースだった。打席では、左利きの大谷は34本のホームランを放ち、打率.273、95打点の成績を収め、エンゼルスのもう1人のスーパースター、マイク・トラウトを援護した。 
 
しかしエンゼルスは昨年、AL地区で3位に終わり、2018年に大谷が移籍して以来、プレーオフをこぎ着けたことはない。大谷の代理人ネズ・バレロはアリゾナ州で、記者団に対し、大谷は 「今年1年を通してプレーし、フリーエージェンシーを探索する権利を得ている。それでどうなるか、様子を見る」と語っていた。 
 
ジャッジはこのオフシーズン、9年3億6000万ドル(約480億円)と巨額の契約でヤンキース残留を決定。ALサイ・ヤング賞を受賞したジャスティン・バーランダー(40)もニューヨーク・メッツと2年8660万ドル(約116億円)の契約を確保しており、モレノは大谷のために大枚を投じることが予想されている。 

モレノが大金を支払わなくても、メッツのスティーブ・コーエンなど、大型契約を提示するオーナーがいることは確実。年俸総額が増大し続ける野球界において、大谷のような選手が5億ドル(約667億円)の契約を結ぶ可能性は、決して非現実的なことではない。 
 
マイアミ・マーリンズの元社長デビッド・サムソンは、大谷のようなフリーエージェントとなる選手を引き留めようとする場合、考慮すべき要素の1つは、大谷の投打二刀流に基づいたオファーを出すかどうかだと指摘した。 
 
サムソンは「私だったら数学的に計算し、大谷がチームにいないことで失うことになるスポンサーの金額を割り出す」と説明。大谷が「牽引すると思われる観客動員数を計算し、それに見合った数字を計算する。給料の配分についても、2億ドル(約267億円)の予算なら、そのうち5000万ドル(約67億円)を彼に払えるかどうか、球団と話し合うだろう」 
 
同氏は、大谷は「先発ローテーションのトップと主力バッター両方」であり、それゆえチームの2つのスポットを占めると付け加えた。 
 
「一般的なルールとして、選手1人がチーム年俸予算の2割以上を占めると問題だ」と指摘。「しかし、大谷は2人の選手として計算することができる。2億ドルの年俸予算のチームに2500万ドル(約33億円)の選手が2人いるのは、まったくもって合理的だ。(メッツの投手)マックス・シャーザーとジャスティン・バーランダーが(それぞれ年俸)4300万ドル(約57億円)なら、大谷翔平は5000万ドルの価値がある。間違いない」 
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翻訳=三浦乾

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