政治

2023.03.16

米選挙不正「証拠ないが事実」と主張する共和党支持者が増加

Getty Images

2020年の米大統領選ではジョー・バイデンが正当に勝利しておらず、それを証明する「確かな証拠」があると考える共和党支持者の割合が過去2年間で大幅に減ったことが、米CNNと世論調査会社SSRSによる世論調査により明らかになった。極右勢力が主張する選挙不正に確かな証拠がないことに気付きつつも、選挙が「盗まれた」という考え自体を変えない共和党支持者が増えていることが示唆されている。

世論調査は3月8日から12日にかけ、共和党支持者と共和党寄りの無党派層、計1045人を対象に行われた。回答者の63%が、バイデンが2020年の選挙に正当に勝利しなかったと回答。一方、バイデンの勝利を認めた人は37%だった。

バイデン勝利否定派のうち、選挙不正の「確かな証拠」があると答えたのは52%にとどまり、残る48%は「疑いしかない」と答えた。

不正の証拠があると考える共和党支持者の割合は、以前から大幅に減少。2021年1月に過去最高の75%に達した後、2022年10月の前回調査では61%まで減っていた。

一方、選挙が盗まれたと考える共和党支持者の割合は大きく減少しておらず、多くの共和党支持者が、選挙不正の証拠がないことを認めた上で、いずれにせよ不正があったと結論付けていることを示唆している。バイデン勝利を認めない人の割合は、2021年1月の71%から、2022年10月には63%に減少していた。

選挙不正の証拠があると考える傾向は、回答者の年齢・収入・学歴によって異なった。若い有権者ほど「疑いしかない」と答える傾向にあり、確かな証拠があると答えた割合は45歳未満で47%だったのに対し、45歳以上では55%だった。

収入別では、不正の証拠があると信じる人の割合は、年収5万ドル(約660万円)未満で55%だったのに対し、年収5万ドル以上では50%だった。他方で、高学歴の回答者は、不正の証拠があると信じる傾向がむしろ強かった。不正の証拠があると答えた割合は、白人の大卒者で55%だったのに対し、大卒でない回答者は50%だった。

2020年大統領選でバイデンに敗れたドナルド・トランプ前大統領とその側近は、選挙不正が広く行われていたと主張し、右派に広く支持された。この主張を証明する具体的な証拠は出ておらず、選挙結果を覆そうとした訴訟はすべて失敗に終わっている。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太・編集=遠藤宗生

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