米運輸省は、全米に50万カ所の新たな充電ステーションを開設する努力の一環として、新たに「充電・給油インフラ助成プログラム(Charging and Fueling Infrastructure grant program)」と呼ばれる助成金制度を立ち上げた。超党派のインフラ法により創設されたこのプログラムは、5年間で25億ドルを投じる予定で、2022年度と2023年度には最大7億ドルを、充電ステーションと水素を含む代替燃料ステーションの設置に充てる予定だ。
運輸省の交通政策担当補佐官のクリストファー・コーズは「このプログラムは特に、十分なサービスを受けていない地域に、より多くの公共充電ステーションを設置することに重点を置いている」と述べている。
「あらゆる地域に居住する米国人が、EVがもたらすコストの削減や、メンテナンスの必要性の低減などの恩恵を受けるべきだ。米国が掲げる気候変動と公平性の目標を達成する上で、EVインフラの公平な展開は欠かせない」とコーズは14日の記者発表で述べた。
新たな助成金は、全米のEV充電器のネットワークを拡充するための国家EV充電プログラム(National Electric Vehicle Infrastructure NEVI)向けにすでに計上された50億ドルに追加される。運輸省によると、この新たな助成制度は、充電インフラを補完し、地域ごとのギャップを埋めることを目的としている。
米国の新車販売台数にEVが占める割合は、テスラの需要に牽引されるかたちで、2022年に初めて5%を突破した。しかし、EVの本格的な普及に向けては、公共の充電インフラの不足が懸念材料となっている。今回の連邦政府の助成金を受けるためには「メイド・イン・アメリカ」の要件を満たす必要がある。
全米で最大の充電ステーション網を運営するテスラは先日、連邦政府の資金援助を受けるために、そのうちの7500基をテスラ以外の顧客に開放することに合意した。
(forbes.com 原文)