これは、当たり前のことなのか? そんなことはない。科学論文誌のAstronomy & Astrophysicsに掲載された2つの新たな研究(こちらとこちら)は、実際には太陽系が比類なき存在であると主張している。
系外惑星系(太陽以外の恒星を中心とする惑星系)は天文学者にとって謎の存在だ。ケプラー宇宙望遠鏡(最初に多数の系外惑星を見つけた)のデータによって、多くの系外惑星系で惑星が近傍の惑星に似ている傾向があることがわかった。たとえば、ある恒星を3つの惑星が周回している場合、すべて大きさや質量が似ている傾向がある。
しかしケプラーのデータには限界があった。「個々の惑星系について、惑星同士がよく似ているのか、(太陽系のように)そうでないのかを決めることは不可能でした」と論文の主著者でベルン大学、ジュネーブ大学およびNCCR PlanetSの研究員ロケシュ・ミシュラはいう。
データを綿密に調べる中で、研究チームは惑星系が4つのクラスに分類できることを偶然見つけた。
・Similar(類似):近傍の惑星群の質量は互いに似通っている。夜空に見える恒星を周る惑星系10個のうちおよそ8個がこの構造を持つ
・ Ordered(正順):惑星の質量は恒星から遠くなるほど増していく傾向がある。太陽系と同様だ。これは最も稀なクラスだ
・Anti-ordered(逆順):惑星の質量は概ね恒星から遠くなるほど減っていく
・Mixed(混合):惑星の質量は惑星ごとに大きく異なる
惑星系がどのように、なぜ異なる構造を持つのかは、星周円盤(惑星が生まれたガスとちりの円盤)の質量に依存することを研究結果は示唆している。「円盤の大きさも質量も比較的小さく、重い元素がほとんどない恒星からは『類似』クラスの惑星系が生まれます。大きくて質量の大きい円盤と多くの重い元素を含む恒星からは、正順あるいは逆順の惑星系が多く生まれ、混合惑星系は中型の円盤から生まれます」とミシュラはいう。
互いに衝突し合ったり、惑星系の外にはじき出される惑星も、惑星系の最終的な外観に影響を与えるが、重要なのは、最終形態は初めから織り込み済みだという点だ。
「このたび初めて、惑星系を全体として捉え、他の惑星系と比較するためのツールを手に入れました」と共著者でベルン大学とNCCR PlanetSの惑星科学教授、ヤン・アリバートはいう。「一連の結果が注目に値すべきなのは、惑星系の初期状態と星形成を、惑星系の構造という測定可能な特性と結びつけている点です。両者の間には何十億年も続いた進化があり、今回私たちは初めて、この巨大な時間のギャップを橋渡しして、検証可能な予測を行うことに成功しました」
太陽系は特別だ。その理由はもうすぐわかるかもしれない。
(forbes.com 原文)