これは世界中の女性たちが重要な問題に取り組む上での非常に大きな力であり、機会を与えてくれるものでもあるという。
フォーブスの「50オーバー50」に選出された多くの人たちも参加したこのサミットで「年齢」は特に関心を集めるトピックだった。成功を収めてきた参加者の女性たちにとっても、年齢差別は依然として、深刻な問題となっている。
AARPが行ったある調査の結果によると、50歳以上の米国人に対する年齢差別は2018年、米経済におよそ8500億ドル(約114兆円)の損失をもたらしていたと推定される。
つまり、米国には相当の眠れる潜在力があるということだ。年齢差別がなければ、2050年には50歳以上の労働者がGDPの3兆9000億ドルの増加に貢献できる可能性があるという。
また「エイジズム(年齢による差別)」は男女ともに直面するものだが、より大きく影響を受けているのはやはり女性だとみられる。応募者の性別と年齢だけを変えた履歴書4万通を企業に送付した調査の結果では、若い女性に連絡がある確率は、年配の女性の2倍だった。男性にも同様の傾向が見られるものの、女性ほどの大差ではなかった。
中高年の女性に対して持たれている偏見には、主に次のようなものがある。
「温かさ」に期待できる
ジャーナル「Organizational Behavior and Human Decision Processes(組織行動論と人の意思決定プロセス)」に発表された研究結果によると、働く中高年の女性に対しては「温かさ」に関するバイアスが存在し、それが職場における女性たちへの評価に影響を与えているとみられる。一般的に女性には「温かく友好的であること」が望まれる。「権力欲が強すぎる、期待されるほどフレンドリーではない」と受け止められると、反感を買うことになり得る。
だが、最近の研究では、女性の温かさはその人の年齢が上がるとともに「周囲の人の目から見て」減少していると考えられる。複数の大学教授を対象に行った調査で、それぞれの教え方について評価してもらったところ、男性教授は年齢に関係なく、一貫した評価を受けていた(育児やその他の仕事の量など、評価に影響を与え得る外的要因を考慮した上で分析を行った)。