Forbes CAREER

2023.03.22

「多種多様な人々が働きやすい社会を作りたい」─ 次世代につなぐバトンにかける想い

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企業で働く人材が、性別や国籍、年齢、学歴などに関わらず尊重され、個人の能力を発揮できる環境づくりを目指す。こうしたダイバーシティ&インクルージョン(D&I)への取り組みが各企業で行われているなか、すでに女性の活躍とともに成長を遂げている企業がある。2000年に米国シアトルで、アクセンチュアとマイクロソフトのジョイントベンチャーとして誕生したアバナードだ。

なぜアバナードではすでにD&Iが浸透し、企業成長へとつながる成果を上げているのか。アジア太平洋、ラテンアメリカ、中東地域の財務を統括する成長市場ファイナンスリードを務める山形紗弥香(以下、山形)の話から紐解いていく。

多様性を認め合うカルチャーがビジネスに好転をもたらす


世界26カ国に約60,000名のプロフェッショナルを有し、マイクロソフトのテクノロジーと、アクセンチュアのコンサルティングとの連携により、顧客に対し革新的なソリューションを提供しているアバナード。

山形は大学卒業後、マイクロソフト社に入社し、その後アクセンチュアに転職。12年(産休を含む)勤めたのち、2020年にアバナードに入社した。マイクロソフトの時代から財務に携わり、ジョイントベンチャーを設立する際のプライシングや経営に対する指標分析、経営アドバイスなどを手掛けている。

山形が属するファイナンスチームは、アジア太平洋、ラテンアメリカ、中東地域の財務を担当。その時差は14時間に及ぶ。世界中にある支社で誰かしらが稼働する“眠らないチーム”とも言える。

「一緒に働いているチームには、中国、インド、フィリピンなどにメンバーが100人、200人単位でいます。国により休日が異なるため仕事が滞らないよう、日常的に各国の状況を把握しておく必要があります。当然他国で働くメンバーは日本の休日も把握しているので、チームはもちろん、会社全体が他国の文化や特性を理解し、尊重し合いながら連携したサポート体制を整えています」

また、CEO、CFO、CPOなどグローバル経営幹部の半数を女性が占めるアバナードでは、出産や子育てといったライフステージに関係なく、キャリアを積むことができる環境も整っている。

経済産業省が作成した「女性活躍に向けた経済産業省の取組」によると、全世界の企業で女性取締役を1人以上有する企業は、1人もいない企業と比べて金融危機からの回復が早く、女性取締役が多いほどROE(株主資本利益率) が高い傾向が見られるという。まさにアバナードは女性の活躍推進を掲げる企業の中において、リーディングカンパニーと言える存在だ。

山形はこうした現状に女性として喜ばしいと感じる一方で、自身はこれまでに勤めてきた企業で、ジェンダーによる不利益などを被った経験はなかったと振り返る。

「なぜ感じてこなかったのか、今改めて考えてみると、人と自分は違って当たり前という環境で過ごしてきたからだと思います」

グローバル企業で経験を積んできた山形が、仕事において最も大切にしていることは、本質を見極めること。国籍や価値観が異なるからこそ、仲間が何を考え、何を得意とし、会社やクライアントにどのように貢献することができるのかを重視している。こうした視点はビジネスにおいても必要不可欠だと山形は言う。

「アバナードはお客様の課題を解決し、ひいては社会的な問題も解決していくことを使命としています。そのためにお客様の課題を聞くことから始まり、問題の根幹となっている本質を見極めることが、何より重要であると考えています」

成長市場ファイナンスリード山形紗弥香

成長市場ファイナンスリード山形紗弥香

インクルージョン&ダイバーシティの取り組みを強化

米国が本拠地ということもあり、D&Iに対する風土の基盤ができているアバナードだが、具現化してより意識を高めるため、2022年10月にインクルージョン&ダイバーシティを専門とする役職を設けた。その職を務めるのが、人事部 インクルージョン&ダイバーシティ マネジャーの鎌田華織だ。

アバナードではD&Iではなく、あえてI&Dという呼び方をしている。その理由を鎌田は次のように語る。

「多様性とは、さまざまな属性の人々が存在している状態のこと。この状態を作ることはもちろん大事ですが、そこからさらに進んで一人一人の個性を尊重し、インクルーシブにしていくアクションが必要です。インクルージョンがあってこそ人はさらに能力を発揮さることができ、組織はさらにパワフルに動き出す。アバナードのパーパスにある『Make a genuine Human Impact』にまさに繋がるこのインクルージョンをより重要と考えているため、Inclusionを先にした『I&D』という呼び方をしています」(鎌田)

2022年10月に入社した鎌田は前職でもD&Iを専門とした部署に所属し、多彩な知識と知見を持つスペシャリスト。専任となり数ヶ月で、山形を含む3人のエグゼクティブからなる「I&Dエグゼクティブ コミュニティ」、そして公募でメンバーを選定した「I&Dエンプロイー コミュニティ」を発足し、上級管理職やシニアリーダーに向けてのコーチングなどを行なっている。

人事部 インクルージョン&ダイバーシティ マネジャー 鎌田華織

人事部 インクルージョン&ダイバーシティ マネジャー 鎌田華織

「社員一人一人が生き生きと働ける、そして力を最大限発揮するためには、それぞれの個が大切にされていることが実感できる環境を作り出すこと。その環境の中で勇気を持って行動することが自己成長につながり、新しい発見からイノベーションが生まれる。最終的には社員、会社のお互いがWin-Winとなることを目標としています」(鎌田)

山形は鎌田の活躍に大きな期待を寄せている。

「専任の方が来てくれたことにより、会社として、個人として、具体的に何をすべきか可視化される。その結果、さらに多様性に富んだ方たちが入社しやすい環境を作ることができ、誰もが働きやすく、それぞれの力を発揮できる社会が次世代へと繋がっていくのではないかと期待しています」(山形)

アバナードが掲げるメッセージ『Do what matters』


2022年9月より「Do what matters〜今すべき大切なことは何か。アバナードが見極め、実現します」というメッセージのもと、ワールドワイドでブランドキャンペーンを展開している。これはアバナードのブランドを再定義し、認知向上を図ることを目的としたメッセージだが、山形は「Do what matters」をどう捉えているのだろうか。

「例えば仕事においての”matter”は、クライアントのための課題解決、社会的な問題の解消、テクノロジーの推進など“matter”を意味するものは人によって異なります。そのため、仲間やお客様が思う“matter”が何であるのかを知るきっかけとなり、人それぞれの“推し活”を応援しよういう気持ちを共有することにつながっていくのではないかと感じています。

例え同じ温度感で共感することができなくとも、自分の知見が役立つことがあれば、その推し活を手伝う。そんなふうに、それぞれが大切にするものを尊重し合うことができればいいなと思っています」

一見バラバラな”matter”に思えても、互いを理解し同じ方向に熱量を持っていくことができれば、それはチーム全員の“matters”にもなっていく。アバナードが掲げるメッセージは、新しい価値観を生み出すことにも繋がっている。

祖母、母、自分、そして娘へ。女性の働く環境を向上させるバトンリレー


最後に、山形にとってI&Dのゴールとは何かを尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「一番に頭に浮かんだのは、現在小学生の娘の顔ですね」。
この言葉は、山形の家族が歩んできた歴史に紐づいている。

山形の祖母は、第二次世界大戦後に夫を亡くし、周囲が再婚を進める中、公務員の職を得て、女手一つで苦労しながら娘2人を育て上げた。そして山形の母が働いていた時代は雇用機会均等法の施行前。女性がお茶くみ、掃除を行うことが当たり前。結婚、妊娠などで退職奨励されるのが慣行だった。

そして現在、アバナードでは女性の育休からの復帰者が100%となっており、出産後も活躍できる環境が整っている。

「こうした時代の流れに想いを巡らせると、代々受け継がれてきたバトンをいま、まさに私が手にしているんだなと。それならば、娘が働く時代に私ができることは、少しでも多種多様な人たちが働きやすいと思える社会をつくること。そのためのバトンを繋ぐ役割を果たしていきたいと思っています」

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Promoted by アバナード / text by Rikako Ishizawa / photographs by Kayo Takashima / edit by CRAING

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