健康

2023.03.15

サラダドレッシングに新効果、血糖値が気になる人に朗報となるか

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血糖値が気になっている人は、サラダに何をかけて食べてます? けっこう甘いし、油を摂りすぎると中性脂肪が上昇して結果的に血糖値が上がる、なんて話を聞くとドレッシングは悪者に思えてしまいます。そこでキューピーは、ドレッシングが血糖値に与える影響を調べました。すると嬉しいことに、ドレッシングには食後血糖値の急激な上昇を抑える効果のあることが確認されたのです。

キューピーは2022年8月、炭水化物を食べる前に野菜サラダを食べると食後の急激な血糖値上昇が抑えられることを確認して日本食品科学工学会で発表しました。ではドレッシングをかけたらどうなのかと今回の試験を行ったところ、驚きの結果が得られました。

試験は、健常な成人男性16人を対象に行われました。この人たちには前日の午後9時から絶食してもらい、試験当日、分離液状フレンチドレッシング50グラム、乳化液状ごまドレッシング50グラム、そして比較のためにブドウ糖6グラムを摂取してもらいました。これらの糖質量を同じに揃えるために、分離液状フレンチドレッシングには2グラムのブドウ糖を加えています。また、正確を期するために野菜は摂らず、ドレッシングだけを食べてもらっています。そして、これらを摂取した後120分までの間に7回採血を行い、血糖値の上昇を調べました。

試験にはクロスオーバー法が用いられています。被験者は複数のグループに分けられ、それぞれがひとつのドレッシング(ブドウ糖)で試験を行った後、ドレッシングを入れ替えて同じ試験を行います。これによりすべての人が3種類を試すことになり、結果の個人差を小さくできます。

結果は、フレンチドレッシングが15分後に、ごまドレシングが15分後、30分後、45分後に、ブドウ糖のみの場合と比べて明らかに血糖値の上昇が抑えられていました。とくにごまドレッシングは、ブドウ糖が食後30分でピークに達したとき、大幅に低くなっています。

この研究では、あくまでキューピーの2種類のドレッシングを対象としているため、どのドレッシングも血糖値上昇を抑制する効果があるとは限りません。この研究に参加した糖尿病研究の第一人者であり東京慈恵会医科大学名誉教授の宇都宮一典氏は、ドレッシングの油は必須脂肪酸を含む食用植物油脂なので体に優しいが、「適量の利用が大切」と話しています。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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