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2023.03.16 11:00

変化の激しい世界を、視点を変えて乗り越えていく「人」「企業」「自治体」をリコメンドする「Rethinkアワード2023」

あまりに大きく変化する世界に対してできること。それは従来の常識と視点を変えて物事を考える(=Rethink)ことなのかもしれない。

そうした取り組みによって社会にポジティブエフェクトを与える「人」「企業」「自治体」を表彰する「Rethinkアワード2023」の模様をレポートする。


当たり前を当たり前と考えない。視点を変えて、あらためて物事を考えるRethink文化の浸透を目指して昨年設立されたのが、今年第2回を迎えた「Rethinkアワード」だ。

視点を変えた取り組みによって社会に影響を与えた「人」「企業」「自治体」を表彰するための「Rethinkアワード2023」が、2023年2月16日に東京・恵比寿 ザ・ガーデンルームで行われた。

Rethinkアワード特別実行委員・田村 淳

「自分がやった新しい挑戦を、褒めてくれる場所があるということに背中を押されています」

そう語ったのは、タレントの田村 淳。ビジネスや社会問題にも造詣の深い田村は、Rethinkの先駆者として第1回「Rethinkアワード」の「人」部門の受賞し、今回は同アワードの特別実行委員を務めている。

実行委員長は第1回に続き井上朋彦(Boundless)が務め、今回は新たに、クリエイターズマッチ、ロボット(2社とも「人」部門選出担当)、Forbes JAPAN(「企業」部門選出担当)、官民連携事業研究所(「自治体」部門選出担当)が実行委員に加わり、各部門の選定のもと、プロジェクターの映像とともに、受賞者が次々と発表されていく。

 「企業」部門 ファーメンステーション、「未利用資源」を活用したエタノール生成

「企業」部門の栄誉を得たのは、「ファーメンステーション」。Forbes JAPAN Web編集長・谷本有香より、創業者で代表取締役の酒井里奈へ、トロフィーが渡された。 

「企業」部門を受賞したファーメンステーションの代表取締役・酒井里奈(左)とForbes JAPAN Web編集長・谷本有香(右)

 同社はゴミをゴミと考えず、発酵技術で世の中に役立つものへと価値をRethinkする、研究開発型スタートアップ企業である。酒井が東京農業大学で発酵について学ぶなかで出会ったのは、岩手県奥州市の米農家と地元自治体。その地には未利用資源として、休耕田や遊休水田を抱えており、その活用法の共同実証実験のために、ファーメンステーションはスタートしたという。

 「始めた当初の14年前はSDGsの概念自体がありませんでした。休耕田のお米をもとにエタノールを製造すると言っても、『市場がない』のひと言で却下されていました。ところが近年ではSDGsや脱炭素の流れで、注目されるようになったのです」

酒井が心がけているのは、開発のために原料を“わざわざつくらない”ことだ。

「石油由来のものや、そのために栽培したものを使うのではなく、ゴミとして捨てられる休耕田のお米を発酵・蒸留してエタノールを製造しました。ほかにもカルビーさんの使えなかったジャガイモ、ニチレイさんの冷凍食品の規格外おにぎりなども、原料として活用しています。

工場もまた水の使用を最低限にし、残った発酵かすは化粧品の原料や鶏・牛の餌に活用し、鶏糞・牛糞は田畑の肥料にする。それにより、循環型社会が成立するのです」

そうした取り組みは、実際にオーガニック発酵化粧品原料「米もろみ粕」や「オーガニックライス・エタノール」として製品化、ビジネスとして羽ばたいていることも評価の要因となったようだ。

Forbes JAPAN Web編集長の谷本は、ファーメンステーションがもつグローバルな可能性について評価した。「日本だとこうした取り組みは、単純に“いいこと”をしているという印象で捉えられがちなのですが、海外では、いま目の前にある課題をエネルギーにつなげていかなければならないという流れはもっと切実です。このファーメンステーションの発想の転換が海外から大きな注目を集めているのもよくわかります。この動きは日本発でグローバルを目指すスタートアップに向けた、大きなヒントになるに違いありません。

 なんのためにRethinkするのか。それは私たちの世界をより豊かにするためにほかなりません。いままで価値のなかったものに着目したり、新たな価値を創出するための異なる視点を見つけたり、私たちの世界にはまだまだRethinkできることが沢山残されています。このアワードはそんな可能性ある未来にワクワクできる気づきが詰まっていました」

そして酒井が、おもむろにある除菌ウェットティッシュを取り出した。 

りんごの搾りかすを使った除菌ウェットティッシュの説明を受ける田村とRethinkアワード実行委員長・井上朋彦(右)

「これはリンゴジュースやお酒を作るときに使用したリンゴの搾りかすを、高度な技術で発酵させることでエタノールに変換して、つくったものです」

ほんのりとしたリンゴの香りに、登壇者全員は癒やされた。そしてこれからも生み出され続けるであろう同社のイノベーションの予感が、会場全体のテンションを上げていった。

「人」部門 仲信達也/吉村 萌

ロボット、クリエイターズマッチにより選定された「人」部門は、仲信達也と吉村 萌の2名が選ばれた。どちらのテーマも地元をRethinkする試みだ。福岡の映像作家・仲信は地元再興・再考をテーマにした「地元サイコゥ!映像祭」から、継承が難しくなっている福岡・弁天島の弁天祭りを題材にした映像作品をつくり上げたことが評価された。

立命館大学在学中の吉村は、地元・岐阜県瑞浪市から出土した2000年前の化石をヒントに、何もない地元というイメージを、昔は海だったという視点からRethinkしたポスターを作成、地元価値を再認識させるメッセージを発したことが評価された。

 「自治体」部門 愛媛県今治市

官民連携事業研究所により選定されたのは、愛媛県今治市である。「今治市クリーンセンター」は、平時には市⺠の交流の場や情報発信ができる施設として活用されているが、災害時には避難場所としても活用可能な、使い方をRethinkした施設だ。

コスト削減や脱炭素社会に向けての取り組みにも工夫がなされているところが、“今治モデル”として評価された。この日は今治市市長もビデオ参加で感謝を述べた。

最後に、Rethinkアワード実行委員会代表の井上が、感想を語る。

「短い時間でしたが、当たり前としか考えていなかったことを、立ち止まって考え直すことで、イノベーションが生まれていく様子が伝わったと思います。そうしたRethinkを受け入れる社会になっていく予感が、今日でまた一層、強くなりました」

左からRethinkアワード実行委員長の井上朋彦(抱えているのは「自治体」部門受賞した愛媛県今治市のマスコットキャラクター「いまばり バリィさん」)/「企業」部門受賞したファーメンステーション代表取締役の酒井里奈/「人」部門受賞の仲信達也/同じく「人」部門受賞の吉村 萌/Rethinkアワード特別実行委員の田村 淳

Rethinkアワード
https://rethink-award.com

text by Ryoichi Shimizu | photographs by Kiyoshi Hirasawa | edit by Yasumasa Akashi