北米

2023.03.14

北朝鮮トップからの私信も掲載、書籍『トランプへの手紙』の衝撃

ドナルド・トランプ前大統領(Shutterstock)

ドナルド・トランプ前大統領は、過去数十年間に著名人や政治家が彼に送った150通の手紙を集めた書籍を4月に出版する予定だ。ニュースサイトAxiosが3月9日に報じた。

『トランプへの手紙(Letters to Trump)』と題された書籍は、過去40年間にトランプと著名人らが交わした「驚くべきプライベートなやり取りを明かすカラフルな写真集」と説明されている。この書籍は、トランプの長男のドナルド・トランプ・ジュニアが共同創業した保守系出版社のウィニング・チーム・パブリッシングから出版される。

150通の手紙は、金正恩やオプラ・ウィンフリー、リチャード・ニクソン、ロナルド・レーガン、ビル・クリントン、ダイアナ妃、ヒラリー・クリントンなどから送られたもので、トランプによる解説が加えられるという。

北朝鮮の金委員長がトランプに宛てた手紙はすでに公開されており、トランプは「ラブレター」と表現していた。

ニュースサイトのポリティコの記者は、トランプに手紙を送った人物がその手紙を公開することを許可していなかった場合、法的問題が生じる可能性があるとツイッターで指摘した。過去の裁判で手紙の著作権は、それを書いた人にあるとされていた。

出版元のウィニング・チーム・パブリッシングは、フォーブスの取材に対し、手紙を掲載することについて、その送り手から「実際の同意も暗黙の同意も得ている」と声明で述べた。しかし、女優で歌手のライザ・ミネリの代理人は「手紙が本に掲載されることを許可していない」と述べている。

「トランプへの手紙」は4月25日に発売予定で、価格は通常版が99ドル、サイン入りは399ドル(約5万4000円)とされている。

知的財産を専門とするニューヨーク大学のジャンヌ・フロマー法学教授はフォーブスの取材に「これと同様なケースは見たことがない」と述べ、著作権は手紙の著者にあると思われると述べた。「トランプは、手紙に写真や解説を加えることで彼自身の創作物にし、フェアユースの保護の下でその行為の正当性を主張できるかもしれない。しかし、そうはいっても、彼は裁判で勝てないかもしれない」

この書籍は、トランプにとって退任後2冊目の書籍となる。CNNは、1冊目の写真集『Our Journey Together』が2021年11月に発売されてからの2カ月間で、2000万ドルの売上を記録したと報じていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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