オーストラリア政府から支援を受けて開発されたドローン
ウクライナへのSYPAQ製ドローンの提供は、オーストラリア国防省が2022年7月に発表したウクライナへの軍事支援の一環だ。SYPAQは以前から、低コストで使い捨て可能な小型の緊急物資輸送用ドローン「Corvo Precision Payload Delivery System(コルボPPDS)」をオーストラリア陸軍に売り込んでいた。コルボPPDSは、オーストラリア政府から110万豪ドル(約9900万円)の支援を受けて開発されたドローンだ。コルボPPDSについて判明しているのは、機体がワックス加工された段ボール製であることと、フラットパック設計の組み立て式であることだ。2019年にオーストラリア軍に所属する兵士グループがコルボPPDSを組み立てたところ、グルーガン(熱可塑性プラスチックを溶かして接着する工具)とナイフ、ペン、テープがあれば容易に組み立てられることがわかった(写真から判断すると、ゴムバンドも必要だ)。スパナは、プロペラを取り付ける時にだけ必要になる。フラットパック設計になっている家具よりも、組み立ては簡単なように見える。
「コルボPPDSの組み立ては、とても簡単だった」。オーストラリア軍のウィル・コイヤー伍長代理は軍事ブログ「Grounded Curiosity」で、組み立てた感想についてそう述べている。「細かい配慮が必要なパーツもあるが、フラットパックのキットが精密に設計・製造されているおかげで、組み立て方はシンプルだ」