キャリア

2023.03.13

フォーブス30/50サミットで語られた「女性のキャリアアップ」の秘訣

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アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで3月7~10日に開催された「Forbes 30/50サミット」では、出席した女性リーダーや起業家たちが成功の秘訣について語った。

働く女性にとって重要な「交渉のコツ」や「不安との闘い方」などについて、これまでのキャリアを通して培ってきたそれぞれの知見を披露してくれた。以下、それらの一部を紹介する。

交渉について

MSNBCの番組「モーニング・ジョー」の司会者で、このサミットの議長を務めたミカ・ブレジンスキーは、女性は人に好かれたいとの気持ちから「自分を過小評価してみせる」ことがあまりにも多いと語った。

ミーティングや交渉の席は、居心地が悪い方が「良い」話し合いの場であることが多いとして、女性たちには「安全地帯から踏み出して欲しい」と述べている。

また、女性には「気難しい人」とみられることを嫌がる人が多く、それが交渉の仕方に影響を及ぼしている場合があるという。投票と市民の政治参加に関する文化的な変化を目指す団体「I am a voter」を立ち上げたマンダナ・デイアーニは、女性は沈黙に不安を感じ「場を取り繕うために」話し始めてしまう人が多いと指摘。そのようなことをする必要は「ない」と断言した。

不安への対処法について

サミットでは、ほぼすべての女性たちが定期的に不安に駆られていることが明らかになった。エボニーライフ・メディアの創業者、モー・アブドウCEOはこれについて、ある程度の不安はアドレナリンの分泌を促すことから、自身にとっては「良いこと」だとする一方、不安は「準備不足が原因の場合もある」としている。

また「ふりをする」のも不安を克服する方法の1つだという。エミー賞の受賞経験がある女優のキャサリン・オハラが勧めるのは、自分がいま置かれた不安な状況に最も適切に対応しそうな誰かを思い出し、その人になったつもりで対応してみることだ。

パブリックスピーキングと「伝えること」について

ある調査によると「死、クモ、高い所」より怖がる人が多いとされるのが「パブリックスピーキング」だ。ヒラリー・クリントン元国務長官は、スピーチのスキルを向上させ、恐怖心を和らげるために欠かせないのは、準備と練習だと語った。ほかの誰より良い準備をしておくこと、そして「伝える」練習をすることが重要だという。

クリントンは、携帯電話で通話しながら、または信頼できる友人たちに集まってもらい「実際に話して」、伝える練習をすることを勧めている。

男女平等を訴えてきたテニス界のアイコン、ビリー・ジーン・キングは、若いころは人前で話すことが怖くてたまらず、試合に勝てば人前で話す必要があるため「勝つべきものかどうか悩んでいた」と明かした。

そうした恐怖心を克服するため、彼女はスピーチをする機会をともなう場にできるだけ多く出席するようにし、自身を「不安に慣らそうと」してきたという。
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編集=木内涼子

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