上場企業にとって、10億円単位の資金調達を柔軟かつ機動的に行えるサービスの存在は貴重だ。
「いわゆる『死の谷』という言葉があるように、上場したあとの3年間で、時価総額が大きく成長できている企業はかなり限定的です。
上場後は、社債を発行するにも書類発行や格付けの取得など、コストがかかるのでハードルが高い。銀行から借入しようにも無担保を求められたり、成長資金という使途では借りられなかったりと、調達が難しくなります。
成長資金が必要な時期にも関わらず、借りたいタイミングで借りられないという課題が内在してしまっているんです」
こうした課題に、Fundsの直接金融という特徴を活かし、「市場の活性化にも繋げていけたら」と前川は期待を込める。
国内外から36億円調達
同社は、3月14日、シリーズDとして約36億円を調達したと発表。既存投資家であるANRI、グローバル・ブレイン、B Dash Venturesなどに加え、韓国の資産運用大手Hanwha Asset Managementら、海外の機関投資家からも出資を受けた。今回調達した資金は、Fundsの機能充実や連携パートナーの拡大、また顧客獲得のための新たな施策や事業展開に向けた人材獲得、マーケティング費用に充てるという。