AI

2023.03.16

テクノロジーが2030年までに可能にすること「小売業におけるAIの未来」

Getty Images

アイドルは、体験を通じて、顧客のこれまでの行動や振る舞いに応じて反応することもできます。ブランドは、AIベースのバーチャルアイドルの外見や性格をコントロールし、ブランドのイメージを効果的に伝え、オンラインでのコミュニティ構築にも活用することができるでしょう。

メタバースでは、AIを搭載したアイドルはインフルエンサーとして、製品やデジタルアセット(NFTなど)を宣伝し、現実世界と仮想世界での売上を促進します。また、アイドル主催のイベントを企画したり、仮想プラットフォーム内でブランド強化活動を自律的に行うようにプログラムすることも可能です。

将来的には、アイドルをバーチャルアシスタントと連携させ、両方の世界で消費者をサポートすることもできます。AI対応のバーチャルアイドルは、すでにソーシャルメディアやビデオゲーム、メタバースプラットフォーム内でお客様やフォロワーと交流しています。

しかし、NLPアルゴリズムはまだ限定的なため、多くのアイドルはシームレスでバーチャルな交流のために、人間によってコントロールされているのが現状です。

AI対応のフォトリアリスティックアイドルMiquela Sousa
出典:Miquela Sousa

イマーシブテクノロジー

AR、VR、XR(クロスリアリティ)技術とAIを組み合わせることで、より没入感のある魅力的な体験を、リアルな絵で素早くレンダリングすることが可能になります。現在のメタバースの限界は、VRやAR体験のためのグラフィックのレンダリングが遅く、時には不具合が生じる点にあります。

没入型技術は、アバター、NFT、完全な仮想または拡張環境など、メタバースで見られるグラフィックのほとんどのレンダリングに使用されています。AIは、数百万人のユーザーを抱える仮想環境、資産の移動、ブロックチェーンデータ、NFT関連取引によって作成される膨大なデータセットの管理を自動化する上で重要な役割を果たすことになるでしょう。

また、AIはブランドや小売企業がメタバースで収集したデータから実用的なインサイトを導き出し、購買パターンを割り出すのに有効です。

特に、メタバース内のすべてのデジタル資産や多くの現実世界の資産はトークン化され、NFTとして表現される可能性が高いため、AIはNFT取引のデータをサポートし、顧客の購買パターンや変化を正確に予測する上で重要な役割を果たすと思われます。
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文=RxR Innovation Initiative

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