その会社の名前は「AGO global」。「AGO」は「アゴ」と読む風変わりな社名だが、「小顔矯正サロンAGO TOKYO」と「AGOセラピストスクール」を運営している。インスタ経由での売上の柱は「女性向けのセラピスト養成スクール」だ。
経営しているのは、湯山卓氏。成城大学を卒業後、新卒で物流大手の近鉄エクスプレスに入社し、その後整体師に転身した。
近鉄エクスプレス時代に配属されたのは、成田空港に隣接する物流センターだった。航空便対応なので昼も夜も関係ない勤務シフトで、体調を崩してしまう。そのことをきっかけに整体に通うようになり、徐々に健康を取り戻していった。
この経験から「自分と同じように体調を崩している人の助けになりたい」と一念発起し、整体師に転身し独立。今では芸能人なども通う「人気整体師」としての地位を確固たるものにし、商業出版も果たした。自身も施術に取り組むと同時に「セラピストスクール」を開き、後進の指導にもあたっている。
なぜフォロワー数は必要ないのか
「Instagramをビジネスで活かすために、フォロワー数は必要ありません。多すぎるフォロワー数はむしろビジネスの邪魔になります」湯山社長の語る「インスタ活用のノウハウ」は、いきなり刺激的だ。湯山社長の運営するアカウント「@ago_japan」のフォロワー数は約9000。一般的なアカウントとすれば多いが、インフルエンサーとまではいかない。なぜ、フォロワー数は必要ないのだろうか。
「フォロワー数を追うあまり、投稿内容が『本来、読んで欲しい人(ターゲット)が求めている情報』からどんどんずれてしまいます。その結果、『フォロワー数は多いけれど、まったくビジネスに繋がらないアカウント』がいくつも生まれてしまうのです。数十万フォロワーを抱えるインフルエンサーであっても、月に数万円しか稼げていない人もいるのではないでしょうか」