ADLによると2022年には全米で6751件の白人至上主義に絡む事件が発生したが、これは同団体がデータを開示し始めた2016年以降で最多の件数で、前年から約40%の急増だった。
反ユダヤ主義のプロパガンダに絡む事件の件数も、昨年は2倍以上に増加し、2021年の352件から852件に増加したという。
プロパガンダに絡む事件は、ハワイを除くすべての州で報告され、最も多かったのはテキサス州(538件)、マサチューセッツ州(379件)、バージニア州(357件)、ミシガン州(270件)の順だった。ADLが調査した約50の白人至上主義グループのうち、パトリオット・フロント、ゴイム・ディフェンス・リーグ(GDL)、ホワイト・ライブズ・マター(WLM)の3つが起こした事件が全体の93%を占めていた。
ADLによると、白人至上主義者らがプロパガンダを広める方法は、ここ数年で変化している。例えば、キャンパスでのプロパガンダ事件は、3年連続で減少して219件となり、2017年以降で最も低い水準となった。一方、高速道路の陸橋に掲げられることが多い横断幕の数は2022年に40%近く増加し、白人至上主義者のイベントの数も前年比55%増だった。
近年は、ラッパーのカニエ・ウェストの反ユダヤ的発言や、トランプ前大統領の反ユダヤ主義者との会食が注目を集めており、このことが白人至上主義やヘイトの拡散に重要な役割を果たしている。バイデン大統領はこの問題との闘いを誓い、議会がヘイトの追放に向けてさらなる努力を行うよう促している。
(forbes.com 原文)