GrammarlyGo は、OpenAIの大規模言語モデルのGPT-3を基盤としたもので、ユーザーが入力した短いプロンプトから長い文章を作成したり、箇条書きを1つのパラグラフにまとめることが可能だ。また、プロフェッショナルなトーンやフレンドリーなトーンなどの、文章の雰囲気を選択できる。
さらに、このツールはメールの意図を理解して1行に凝縮したり、過去のメールの文脈に基づいて返信の選択肢を提案することが可能だ。
これらのジェネレーティブAI機能は、4月にGrammarlyのブラウザ拡張機能で公開され、その後は時間をかけてGrammarlyに対応するウェブサイトや、デスクトップとモバイルのアプリに展開される。ユーザーは、MediumやLinkedIn、Gmail、GoogleドキュメントなどでGrammarlyGoの機能にアクセス可能になる予定だ。
Grammarlyは過去14年間、ディープラーニングや機械学習、自然言語処理、言語モデルなどのテクノロジーを組み合わせて進化し続けてきた。このツールのアルゴリズムは、何百万もの文章とユーザーからのインプットに基づいてトレーニングされてきた。
しかし、100人のエンジニアや科学者、言語学者で構成されるGrammarlyのチームは、自社の技術ではなく、Open AIの話題のテクノロジーを取り入れて、クリエイティブに進化させることを目指し、既存の技術に統合しようとしている。
一方で、ジェネレーティブAIの能力への関心が高まるにつれ、不安も大きくなっている。教師たちは、生徒がChatGPTを作文の宿題に利用することを懸念しており、一部の学校は生徒のChatGPTの利用を禁止している。そのため、Grammarlyの学校アカウントの管理者は、4月にGrammarlyGoが利用可能になった時点で、この機能を学校のデバイスで有効にするかどうかを選択できる。しかし、個人ユーザーの場合は、この機能が自動的にオンになる。
Grammarlyは、ウクライナ出身の起業家でビリオネアのマックス・リトヴィンとアレックス・シェフチェンコらが共同創業した企業で、2021年11月に2億ドルを調達した際の評価額は130億ドル(約1兆7600億円)とされていた。
リトヴィンらは、Grammarlyの立ち上げ前に、文章の盗用チェックツールのMyDropBoxを設立し、教育テクノロジー企業のBlackboardに売却していた。Grammarlyも現在、文章の盗用を防ぐ機能を備えており、WEBページからコピペした文章に警告を表示するが、AIが書いたコンテンツに関しては盗用のチェックを行っていない。
(forbes.com 原文)