とくにレイオフされた人の場合、仕事探しは輪をかけてたいへんだ。しかし実際のところ、転職活動をしている人はそこまでのプレッシャーは感じなくてすむ。応募に受からなくても、少なくともいまの仕事はあるからだ。たとえそれに不満を抱えていても、ないよりは安心だろう。だが失業者にそんな余裕はない。高インフレで生活費がかさむなかで職を失うと、家計をめぐるストレスや不安は高まってしまう。
こうしたなか、採用面接にこぎつけた人はどんな姿勢で臨むべきか。
1. 先に課題を聞き出し、解決に役立てると売り込む
最終的には、新しい上司になる人たちの仕事と生活の向上に貢献することが目標になる。面接では簡潔な自己紹介を始める前に「この職に応募した人たちのなかで、なぜ私を面接候補に選んでくださったのですか」というふうに尋ねるようにしよう。これは、その返答を通じて、採用者側が自分に求めていることをつかむのが狙いだ。面接官は候補に選んだ理由を探し、どんな点がこの仕事にふさわしいと考えたか説明してくれるだろう。
続いて「私がお手伝いできるいちばんの問題点は何ですか」とさりげなく尋ねるといいだろう。面接官は対処すべきどんな課題があるのか、いろいろ挙げてくれるはずだ。ちょっと探りを入れれば、何が彼らの重荷になっていて、早く解決したいと考えているのかわかるだろう。
こうやって相手側の事情を頭に入れておけば、それに応じて自己紹介の内容を調整できる。この職務をうまくこなすのに何が必須かはすでに十分知り得ているので、あとは自分のスキルや能力が問題の解決にいかにふさわしいかを、わかりやすく伝えればいいというわけだ。
2. 「いっしょに働きやすい人」という印象を与える
求職者は面接の過程を通じて、親しみやすく、協力的で、チームプレイヤーで、チームと会社全体の価値を高めてくれる人物だという印象を企業側に抱いてもらう必要がある。採用担当者には、チャンスを与えてもらって感謝していること、採用してもらえれば会社にポジティブな影響を与えられるように力を尽くすことを伝えつつ、職場でいっしょに働きやすい人だとも思ってもらえるようにしよう。面接を受ける人の大半は、名門大学を出ていたり、有名企業で働いた経験があったりすれば内定はもらえるものと思っている。確かに、そうした学歴や職歴が役に立つこともあるだろう。とはいえ採用担当者も人間であり、やはりいっしょにうまくやっていけそうな人がいいと思うはずだ。