テスラ車で「走行中にハンドル脱落」 米当局が調査

テスラ「モデルY」のハンドル(Photo by Sjoerd van der Wal/Getty Images)

電気自動車(EV)大手Tesla(テスラ)の新型SUV(多目的スポーツ車)「Model Y(モデルY)」について、走行中にハンドルが外れたという苦情が複数寄せられ、米規制当局が調査を開始したことが8日、明らかになった。同社は、先月の大量リコールを招いた「フルセルフドライビング(FSD)」ソフトウエアの問題についても調査を受けている。

米道路交通安全局(NHTSA)の文書によると、同局はモデルY2台について、ハンドルをステアリングコラムに固定するボルトが欠けていた結果、運転中にホイール部分が脱落したという苦情を受けたという。調査対象は2023年モデル12万台余りとされている。

苦情のひとつは、購入のわずか5日後にハンドルが外れたというもの。負傷者は出なかったという。


同局はまた、テスラの一部モデルが理由なく突然壊れることがあるという苦情についても調査している。同社に送られた書簡によると、同局には「予期せぬブレーキ作動」に関する758件の苦情が寄せられている。

フォーブスはテスラにコメントを求めたが、今のところ返答はない。

同局は今年、テスラ車以外についてもハンドル脱落に関する苦情を受けている。2月には、ボルトの緩みが原因でハンドルが外れる問題により、「日産アリア」2023年モデル1000台以上のステアリングホイールがリコールされた。

テスラはここ数年で、米国の連邦規制当局や司法省、証券取引委員会から、運転支援機能の安全性などをめぐる調査を受けている。2月には、FSD機能が事故を引き起こす可能性があるとして、36万2758台をリコールした。

米道路交通安全局によると、問題のFSDシステムには、停止信号を無視したり、黄色信号に注意を払わずに交差点を通過したりする可能性があった。AP通信によれば、同局はFSDに関連した事故35件を調査。これらの事故でオートバイ運転者2人を含む19人が死亡した。

イーロン・マスクCEOは以前、同社の運転支援機能は安全だと豪語していたが、最近では投資家に対し「誰もハンドルを握らなくてよい状態にするまでには至っていない」と語っている。

forebes.com 原文

翻訳=Akihito Mizukoshi・編集=遠藤宗生

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