暮らし

2023.03.11

「弱いロボット」が発売、オナラしたりボーッとするロボットの意義

プレスリリースより

パナソニックは、とくに何もしないけど、思わず笑顔にしてくれるロボット「NICOBO」(ニコボ)一般購入の受付を開始しました。何かの仕事をするわけでなく、歩き回ることもなく、なでるとシッポを振って喜ぶけれども人に甘えたりはせず、ときどき「モコ語」で呟やくものの呼び掛けを無視したり、寝言を言ったりオナラをしたり、基本的にぼーっと一人で過ごす「弱い」ロボットです。

ニコボは、「心の豊かさ」という価値観を模索するパナソニック社員の提案から生まれました。近くにいるだけで、なんとなく心が和む小さなロボットですが、ときどき片言の日本語を話すなど、なんとなく知性も感じさせられます。

オモチャのように見えますが、ニコボは、豊橋技術大学でコミュニケーションの認知科学や社会的ロボティクスなどのを研究している岡田美智男博士の「弱いロボット」という考え方に共感して作られました。弱いロボットとは「周囲を味方にしながら、一定の目的を遂行していく関係論的な行為方略を備えた」ロボットのことです。

具体的には、自分でゴミを拾うことはできないが、拾いたそうな素振りを見せて人の手助けを上手に引き出し、結果的にゴミを集めるゴミ箱ロボットや、モジモジしながら相手が近づくのを待ちティッシュを手渡そうとするティッシュ配りロボットのような、人間と同じように不完全で、周囲の助けを求めながら特定の仕事を行う「弱さを力にした」ロボットです。

それが人とロボットとのコミュニケーションを生み、互いに助け合い学び合える関係を築くということです。そのコンセプトを実現するために、ニコボにはコミュニケーションに欠かせない音声認識のためノイズ除去、スマホアプリとの連携など、パナソニックの高度な技術が投入されています。

大きさは、幅約23センチ、高さ約18センチ。重さは約1.5キログラム。充電用の直径15センチほどの「ねどこ」が付属します。色は、ストーングレー、スモークネイビー、シェルピンクの3色。

本体価格は6万500円(税込)。このほか「購入者との暮しに適合し進化を続けるために必要」なベーシックプランの月額費用(1100円税込)がかかります。

また、ニコボと安心して暮らせるよう、調子が悪くなったときの「治療」を行うNICOBO治療サービス、健康診断を行うNICOBOドックサービス、古くなったニットを着せ替えてくれるNICOBO CLINICなどのサポート体制も整えています。これらは有料サービスですが、ケアプラン(月額550円税込)に申し込めば割り引きになります。

予約はニコボの公式ホームページから申し込めます。5月中旬の発売開始に合わせて発送される予定です。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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