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2023.03.15

世界のエネルギー問題解決に挑むJERAでしかできない「大きな挑戦」

2015年に東京電力と中部電力が50%ずつ出資して誕生した燃料調達・火力発電会社「JERA(ジェラ)」。

日本全体の約30%の発電を担う日本最大の発電会社であり、総資産が10兆円を超える“超”大手企業でありながら、同社取締役副社長酒入和男は、JERAを“図体の大きなベンチャー”と呼ぶ。

その意図するところは何か?そもそも、どのような企業文化を有しているのか。酒入へのインタビューを通じ、知られざるJERAの神髄に迫りたい。


40代幹部社員の“危機感”から生まれた「JERA」設立の熱い想い

あくまで一般論ではあるが、事業の社会的影響度と規模が大きい組織ほど、変化に対して鈍感だ。ましてや社会基盤を支える企業であればなおさらのこと。その性質上、どうしても保守的にならざるを得ない。

ところが、燃料上流・調達から、輸送、トレーディング、受入、発電までの長いバリューチェーンを自社で保有、運営し、日本の発電量の約3割を担う超“巨大企業”JERAは、明らかにこの点において異彩を放っている。

それは、JERAが、東日本大震災という大惨事を乗り越えて、東京電力と中部電力の合弁により誕生した“創立経緯”に起因する。

「電力会社には有能な人材が多いものの、電力の安定供給という使命を担う規制業種の時期が長らく続いたことや、年功序列、終身雇用制度の負の側面により、失敗を恐れ、大きなチャレンジを避ける安定志向の傾向があったのは確か。ところがこの2社には、その風潮を疑問に思う人たちがいて、奇しくも2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の被災を機に、彼らが表舞台へと現れることになりました」というのは、同社取締役副社長である酒入和男だ。

東京電力最大の危機の中で上層部ががらりと変わり、強い危機感を持っていた当時40代の幹部社員たちが、“今後の東京電力をどのように再生させるか?”という議論に加わった。

「その時、私も同じく40代。独立系のM&A会社に所属し、アドバイザーとしてその議論に参加することになりました。2019年に、両電力会社の巨大アセットが全て統合され、自らのアドバイザーとしての役割を終えた(と思った)タイミングで『今後も一緒にJERAの成長のために働かないか』と声をかけてもらい大変驚きました」(酒入)

財務経理本部長(CFO)のポストを用意されたものの、JERA上層部の期待は別のところにもあった。それは、東京とニューヨークでM&Aアドバイザーとして様々な企業の経営やガバナンスを見てきたこと、そして当たり前のように多様な人と対等に付き合い、会社の価値向上に努めてきた経験を生かしてJERAの成長を促進して欲しいと言うことだった。すなわち“外部の視点を持ち込み、組織を変革すること”と理解した。

「入社当時の私は55歳で、現会長と社長を除く他の経営陣とほぼ同世代。フリーな議論をぶつけ合える環境にありました。しかも電力畑の人たちだけではなく、外の人が加わることに対して、真剣にウェルカムと言っている。その姿勢にJERAの本気度を感じとることができました」(酒入)

酒入以外の取締役会メンバーの顔ぶれも“多様性”に満ちたものだった。外国人の社外取締役を複数迎えていたが、これは電力会社においては異例のことだ。

「フランスやアメリカの電力やトレーディング会社の経営トップを経験した人や、昨年バイデン政権のエネルギー省に招聘されるような人材が取締役会のメンバーにいました。JERA幹部が、日本とは異なる価値観や知見を取り込む環境をあえて自ら作ったところに、本気で“グローバルで勝負する”という強い意志を感じました」(酒入)

もちろん事業の社会的影響度の大きさにも魅了された。脱炭素の流れの中で、どのように電力の安定供給を維持しながらCO2を減らしていくか。それを今の日本でリードできるのはJERAだけだとの確信があったという。

「事業会社で働くのは初めてで、大きなチャレンジでした。年齢的にも最後のキャリアになるかもしれませんし、どこまでできるかわかりません。しかし、やるだけの価値がある事業で、チャレンジができる会社だと感じて入社を決意しました」(酒入)

走り出した瞬間から、組織も事業規模も巨大な会社ではあるが、ある種の危機感の中から生まれた新しい会社ならではの強みがあると酒入はいう。

「総資産10兆円を超える規模の大きい会社ではありますが、一方でJERAは“図体の大きなベンチャー”です。 経営者が“よきにはからえ”ではなく、自ら迅速に意思決定をする。我々の業界は、新しいイノベーションを次々に取り込まなければ、すぐに世界から取り残されてしまいます。だから短い時間で大きな意思決定が必要で、弊社の経営陣は全員、そのような意識と覚悟をもって事業を進めています」(酒入) 

自由に意見が言えないようでは組織は変わらない

新会社とはいえ、2つの電力会社の一部事業を継承する以上、旧来の組織カルチャーも踏襲せざるを得ない。

「電力会社は、従来はいわば“モノカルチャーな男の縦社会”。しかもキャリア採用も少なく、外国人社員もほとんどいない。多様性の薄さを実感せざるを得ませんでした。まずは足元からということで、私が管掌する財務経理部門では、キャリア採用と女性の採用を積極的に進め、現時点では152人中、電力出身者は45人と少数派となり、一方、女性は30人を超えるという人員構成になりました。本社全体で見てもキャリア採用者は社員の3分の1に迫っています」(酒入)

また、M&Aやファイナンス、IRやESGなど様々な業界で活躍するプロの外部人材を積極的に活用。その結果、電力出身の人たちの行動も徐々にではあるが変わり始めたという。

「“自分自身も変わらなくては”という気持ちを持ち、視野を広げ、新しい取組みを試みる人が増えてきているように感じます。しかし、すべてを新しいやり方に置き換えてしまえば良いかといえばそれも違います。大前提として、経理や財務の業務は、間違いがあってはならず、電気事業会計を遵守する必要があります。守るべきものは守りながら意識改革が進んでいくのが理想です」(酒入)

本気でグローバルで戦える企業を目指すのであれば、終身雇用、年功序列といった昔ながらの慣習にとらわれずに、制度や組織カルチャーの変革にも着手する必要がある。

「我々の会社には26か所の発電所があり、地元で採用されて働いている人もいますから、その人たちにフィットした制度はそのまま残せばいい。そしてコーポレート部門や事業部門には、それとは違う制度を導入する、あるいは自分で選べるようなオプションを用意すればよい。人事制度や仕事との向き合い方にも多様性を持たせることが重要と感じ、社内に働きかけています。」(酒入)

変化に戸惑う人もいる。自分自身も“変わらなければ”と思いながら、なかなか行動に移せない人もいれば、この業界の中で長年、積み上げてきたことを否定されていると感じている社員もいる。

「私のやり方に対して『酒入さんは、電力ビジネスがわかっていないですよね』と言う人もいます。それはそれでいい。むしろ歓迎します。意見をぶつけ合いながら、その中で“今、JERAが何を作っていくべきか”を考えていく段階にあるのですから」(酒入)

議論をせず、“上の人が言ったから、違うかもしれないけれど聞き流しておこう”とか、自分が思ってもいないことを指示通りやっているような組織になることだけは避けたい。人それぞれに違った考え方があり、“これがベスト”という答えがすぐに見つからないからこそ、前職の経験を持ち込んでくれる人の存在が重要で、そう言う人を含め、みんなが自由に意見を言える環境こそが健全なのだという。

「私も最初の頃は『外の人だから言えるのだ』と、まるでよそ者のような扱いを受けていた時期があります。モノカルチャーな会社ほど、そういった傾向が強いのも事実。だからといって遠慮する必要はありません。私が作ろうと思っているのは、出身会社や年次の壁を越えた真のフラットな組織です」(酒入)


酒入とチームメンバー。酒入は出身会社や年次の壁を越えた”真のフラットな組織”をめざす

フラットな組織の中で生まれた多様な意見を、無理矢理まとめるつもりはない。それでは、旧態依然とした組織に逆戻りしてしまうと酒入はいう。

「モノカルチャーだった組織の多様性を広げようとしているのに、言っていることを集約してしまうと、また新しい意味でのモノカルチャーな会社を作ることになります。だから多様性は残したままでいい。“これは言わない方がいいだろう”“これは経営の意向に沿わないから出さないようにしよう”という空気が蔓延すると、経営陣が間違った情報をベースに意思決定をしてしまう可能性もあります。様々な意見の中から、経営として何を選ぶかが、正しい意思決定のあるべき姿といえます」(酒入)

モノカルチャーな組織からグローバルで戦える組織へ

モノカルチャーな組織からの脱皮を図ることで、はじめてグローバルで戦える素地ができるという。ビジネスに対する考え方や感じ方は各国で異なる。だから、モノカルチャーな日本人だけで議論を深めようとしても限界がある。多様な考え方や価値観を持った人間の意見は重要だ。

「JERAには『Global Advisory Experts』という仕組みがあり、海外の経営者やコンサルタント等から様々な分野における世界情勢に関する情報や、それに基づく多岐に亘るアドバイスをもらえます。まずは部門内でディスカッションをして経営陣とも意見交換をしたうえで、他国の視点からどう思うか?意見をうかがうと、日本人の経営者や社員だけでは思いつかないようなアドバイスがもらえると実感できます」(酒入)

 
2022年にフィリピンの大手電力会社Aboitiz PowerのCFOとのそのチームとの会食の際に撮影した写真。チームには女性メンバーも多く、ダイバーシティを肌で感じることができる。

「世界のエネルギー問題に最先端のソリューションを提供する」というミッションを実現するためには、ダイバーシティは必要不可欠だ。しかし、酒入の役割はあくまで、本当にそのミッションを達成できるようなJERAを作っていくことであり、決して号令のようなダイバーシティの実現ではない。

「このミッションをどこまで達成できるか。それを考え、実行していくのが、私がここにいることの存在意義であると自覚。とにかくあまり遠慮することなく、グローバルスタンダードに反する制約や、聖域を設けることをせず、できることは何でもやっていきたいと思います」(酒入)

追いかけているミッションが、実際に目に見える形になるのは、もしかしたら5年先、10年先かもしれない。これだけ長期に亘る事業の方向性を意思決定するためには、世代を超えた議論が必要だという。

「長期に亘る事業だからこそ、50代以上の経営者の判断だけでいいのか、その判断が正しいかどうかを、世代、ジェンダー、国籍の異なる多様な人の意見を聞いて考えるべきではないのか、そしてその人たちの意見がきちんと経営判断に吸い上げられるような仕組みにするべきではないのかと考えています。JERAに入社する全ての人たちが、自分自身がこのJERAの先導役になるという気持ちを持って欲しい。『JERAという名のチャレンジ船に一緒に乗ってみませんか』というメッセージを皆さんにお渡ししたいです」(酒入)



酒入和男(さかいり・かずお)◎1987年東京銀行入社、同行で1994年より財務開発部(M&A )部長代理を務め、1995年より東京銀行信託会社(ニューヨーク)バイスプレジデントを歴任。2002年11月より三菱証券株式会社(現、三菱UFJモルガン・スタンレー証券)財務開発本部M&Aチームヘッドを務め、2006年6月よりGCA株式会社シニアディレクター、2015年1月よりGCAサヴィアン株式会社執行役員マネージングディレクターアジア地区統括責任者を務める。

2019年4月よりJERA取締役常務執行役員財務・経理本部長(CFO)、2022年4月よりJERA取締役副社長執行役員財務・経理管掌(CFO)に就任し。現在に至る。

Promoted by JERA / text by Akihiro Ito / photo by TagawaTomohiko

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