SNS分析を手がけるイスラエル企業Cyabraのデータによるとこれらのボットは、2024年の大統領選でトランプの対立候補になると思われるフロリダ州知事のロン・デサンティス知事と、2月に出馬を宣言したサウスカロライナ州元知事のニッキー・ヘイリーを攻撃しているという。
また、昨年の4月から11月にかけて開設されたアカウントが、トランプの宿敵とされる共和党上院のミッチ・マコーネル院内総務を「裏切り者」と呼んで攻撃したとも報じられている。
Cyabraはまた、デサンティス知事がトランプの支持にまわり、共和党の候補指名争いから撤退するように促すキャンペーンの背後にも、これらの偽アカウントのボットがあると報告した。
多くの親トランプの投稿は、同じ日に作成された複数のアカウントから投稿されているという。これらのアカウントの背後にいるのが誰なのか、また、ツイッターがアカウントを削除する努力をしたのかどうかは不明とされている。
Cyabraによると、ツイッター上の議論のうちの5%が、ボットに由来しているという。また、ヘイリーに関するネガティブな投稿の75%近くを偽アカウントが占めていた。
「当社は、2024年の米国の選挙シーズンが、過去最大レベルの誤情報に溢れたものになる兆候をすでに確認している」と、Cyabraはツイートした。
親トランプのボットの発生源は不明だが、ロシア政府の支援を受けたSNSキャンペーンは、これまで選挙や新型コロナウイルスワクチン、移民、人種などに関する誤情報を拡散してきた。
2016年の大統領選をきっかけに開始された上院の調査では、サンクトペテルブルクの調査機関に所属するロシアのハッカーが、2016年の選挙でトランプを勝たせるために、陰謀論や偽情報を拡散していたとされた。連邦捜査局(FBI)は、ロシアによる干渉が2020年の大統領選挙中にも行われ、バイデン大統領を誹謗中傷していたと述べている。
ニューヨーク大学のソーシャルメディア政治センターの研究によると、2016年の選挙におけるロシアの投稿は、すでにトランプを支持している右派のユーザーにしか響かず、一般的な有権者の心を動かすことはほとんどなかったという。
(forbes.com 原文)