北米

2023.03.06

保釈中のFTX創業者に「スマホ禁止令」、ガラケー限定に

FTXトレーディング前CEOのサム・バンクマンフリード(shutterstock)

2022年11月に経営破綻した暗号資産取引所FTXトレーディングの創業者で前CEOのサム・バンクマンフリードは、詐欺罪などの8つの罪で起訴された後に保釈され、現在はカリフォルニア州の両親の自宅で裁判を待っている。

米司法省は、保釈中の彼の足首にGPS付きの監視デバイスを装着させ、自宅で軟禁状態にしているが、3月3日に新たに、彼のインターネットへのアクセスを制限するため、スマートフォンの利用を禁止することを裁判所に提案した。

バンクマンフリードは保釈中、音声通話とテキストメッセージのみが可能なフリップフォン(日本でいうガラケー)のみの使用を許可されるべきだと司法省は裁判官に提案した。また、暗号化メッセージの送受信が可能なSignalのようなアプリの使用も禁止される。

司法省はまた、専用のVPN設定を行った政府支給のノートパソコンをバンクマンフリードに支給し、ネット上の彼の行動を制限することを求めている。彼のネットの利用は、弁護士と連絡を取る際や、弁護資料の作成を行う場合に限定され、アクセス可能なサイトには、ネットフリックスやスポティファイ、フードデリバリーのドアダッシなどが含まれている。

また、資料の作成のためにウィキペディアやフォーブス、ニューヨーク・タイムズなどの一部のサイトへのアクセスも許可されるという。バンクマンフリードの両親も、iPhoneやアップルのノートパソコンのシリアル番号とMACアドレスを記載した書類の提出を求められ、セキュリティソフトで彼が両親のデバイスを使用できないようにする必要があるという。

その他、新たなデバイスの購入や、弁護士が同席しない限りFTXや関連会社のアラメダの現・元社員と接触することを禁止するなどの制約が設けられる。

バンクマンフリードのインターネット利用は、以前に、連邦地裁の判事らが、彼がVPNを使用していることを発見した後に制限されていた。判事は、彼が暗号資産取引所やダークウェブにアクセスした可能性があると主張していた。しかし、バンクマンフリードの弁護士は、彼がアクセスしたのは、2月のスーパーボウルを含む3つのスポーツの試合だったと反論していた。

バンクマンフリードは、かつて評価額が320億ドル(約4兆3000億円)とされたFTXとその傘下のアラメダリサーチを運営していた際に犯したとされる詐欺罪を含む8つの罪で裁判に直面している。

現在30歳の彼は、11月にFTXのCEOを辞任し、バハマの当局に逮捕された後に、連邦捜査局(FBI)によって米国に身柄を移送された。彼は12月22日に2億5000万ドルの保釈金で保釈を認められた。バンクマンフリードは、裁判が始まるまでの間、足首のGPSの装着を含め、厳格な監視のもとで実家に留まるよう命じられている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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