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2023.03.06

身に着ける投資、7879の純金属ジュエリーが示す未来

Getty Images

もちろん、これは1000ポンドの貴金属の価値とまったく同等ではない。7879の価格設定には「職人技術料」が組み込まれているからだ。この手数料は、ジュエリーデザイナーへの支払いや会社のさまざまな費用に充てられている。また、買い取りの際にも少額の手数料がかかる。しかし、7879はこれらの手数料をあらかじめ公表しており、顧客は投資額を正確に把握できる。つまり、それ自体に本質的な価値のないブランド名のために多額のお金を払う必要はないのだ。

実際のところ、顧客はさまざまな理由で7879を利用していることがデータから読み取れるという。一般的に年配の顧客ほどジュエリーの投資価値に関心が高く、若い購買層ほど身に着けることに重点を置いている。いずれにしろ、すべての顧客が同じ価値提案を受けている。身に着けられるジュエリーというかたちで貴金属に投資し、金やプラチナの市場実勢価格で同社に売却できる機会である。

顧客には伝わっているようだ。1年前に取引を開始した7879は、4月に英高級百貨店セルフリッジズの目に留まり、サステナブルな小売ブランドを紹介する「Shopping the Future」キャンペーンで商品が取り上げられた。その後、売り上げは急速に伸び、取引開始から1年で約150万ポンド(約2億4500万円)に達した。

クカディアとフラワーズは、国際展開と新商品の発売を通じて今後1年間で売り上げを倍増できると考えている。「経済の先行きが著しく不透明な今、価格だけでなく品質においても透明性のあるジュエリーを販売することが、持続可能な未来への道を開く鍵になると信じている」とクカディアは語った。

一方、フラワーズはもう1つの利点を指摘した。「最高純度の金とプラチナは、抗菌性と低刺激性に優れている。衛生管理の厳しいパンデミック後の世界において、当社のジュエリーは完璧な位置づけにある」

古くからある投資対象への新しい提案には、今だからこそ響くものがある。

forbes.com 原文

編集=荻原藤緒

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