法案は、公共施設や「成人でない人が見る」可能性のある会場でのドラァグショーを禁止しており、公共の場でドラァグパフォーマンスを行った者は軽犯罪、繰り返し行った場合は重罪の対象となると指摘している。
7月1日に施行されるこの法律に初めて違反した場合、最高で11カ月の禁固刑と2500ドル(約34万円)の罰金が科せられる可能性があり、さらに違反した場合は1年から6年の禁固刑と最高で3000ドル(約40万円)の罰金が科せられる可能性がある。
この法案には「ドラァグショー」とは明記されていないが「大人のキャバレー公演」を制限するもので、それは「男性や女性に扮すること」と「トップレスダンサー、ゴーゴーダンサー、エキゾチックダンサー(および)ストリッパー」が出演するイベントと定義されている。
共和党のジャック・ジョンソン州上院議員は、この法案は「未成年の観客には不適切な、性的に露骨なドラァグショーから子どもたちを守る」ことを目的としているとCNNに語っている。
テネシアンによると、グロリア・ジョンソン州議員(民主党)は法案に反対し、州にはすでに子どもの前でのわいせつ行為を制限する法律があると主張した。
同様の法案は、テキサス、アリゾナ、オクラホマ、ノースダコタ、カンザスの州議会議員によって提出されているが、それぞれのスケジュールは不明だ。
リーは、1977年に高校の卒業アルバムに掲載された自身の女装写真がソーシャルメディアに出回り批判された。AP通信によると、リーは「自分の女装」を覚えているかという質問に対し「あのようなものを、深刻な問題である子どもたちの前での性的なエンターテインメントと混同」するのは「馬鹿げた質問」とした。
ヒューマン・ライツ・キャンペーンは、この法案を「差別的」だと呼び、ドラァグショーをストリップクラブになぞらえ、LGBTQコミュニティのメンバーに「危険な存在」というレッテルを貼ろうとするものだとしている。同団体は「ドラァグパフォーマンスを含むLGBTQ+のイベント、スペース、文化を禁止するという危険な行為は、LGBTQ+コミュニティに対する大規模な攻撃の一部である」と述べた。
ここ数週間、ドラァグパフォーマンスを禁止しようとする動きが活発化している。批判は、米国を拠点とする非営利団体で、図書館や書店でドラァグ姿の語り部が子どもたちに本を読み聞かせるというドラァグ・ストーリー・アワーに集中している。活動家はドラァグ・ストーリー・アワーが子どもたちに読書好きになってもらい、多様性と包括性を祝うための方法であると宣伝するが、抗議者は、このイベントが子どもを性的な目で見るものだと根拠なく主張している。
10月にオレゴン州で開催されたストーリーテリング・イベントでは、数百人の抗議者が集まり、中には銃で武装したり、煙弾を投げたりしたものもあった。昨年6月、ドラァグ・ストーリー・アワーが主催したベイエリアのイベントは、プラウド・ボーイズのメンバーによって妨害された。彼らは「子どもたちがいる前で、イベントの主催者に対して同性愛嫌悪やトランスフォビックな中傷を叫んだ」と警察は発表している。
(forbes.com 原文)