2023.03.05

驚きの高値がつく名車「GTR-R34」新型への強い期待が止まらない

photo by Gettyimages / Florian Seefried

彼らのコメントはわかるけど、僕としては、ここまで世界を騒がせ、レースでも大活躍し、ここまで生き延びてきたGT-Rを素直に褒めたい。10年ほど前に、英国BBC放送の人気番組「トップギア」のホストで、世界一有名な自動車評論家のジェレミー・クラークソンも「GT-Rは世界一素晴らしいクルマ」だとベタ褒めしてる。

さて、ここではっきり言えることがひとつ。電動化のGT-Rが出る。ただ、どういう形で出るかはまだはっきりしない。

ヒントはあるけどね。日産商品企画部の役員フィリップ・クラインが下記のように言った。「もう少し待ってください。近い将来、ガソリンからハイブリッドまたはEVに変えても、今までの走りのレベルを保つつもりなので、楽しみにしておいてください」と。そこまで言うということは、ハイブリッド仕様も登場するけど、いずれEV仕様も出ると言うことだ。

次世代GT-Rには期待できるか。どんなクルマになるのか。やはり、スポーツカーを作ること自体は、莫大な開発費が必要なので、いま既存の技術をベースにしなければ、とてもじゃないけど作れない。だから、ついに2022年に登場した新型日産Zは、全く新しいボディを採用したけど、先代のプラットフォームを引き継ぎ、多少チューンされた400psの既存のV6エンジンを搭載。20年代にゼロからスポーツカーを作るのは、コストが高すぎる。とは言っても、パーツをやりくりして完成させた新Zの出来栄えはとても良いし、アメリカで人気がある。

ところが、今の日産のラインアップにはリーフ、アリア、リーフの3車種のEVがあるし、新型エクストレールもある。正直なところ、アリアとエクストレールに搭載されている最新のインテリジェント4輪駆動システムは素晴らしい。凍った路面でも、その最新の4WD制御はキュッと曲がって、走りと安全性を思い切り高めている。残念ながら、現行型GT-Rにはそういう技術はついていないので、アリアの後にGT-Rに乗り変えると古く感じる。

ARYA

ARIYA

だから、次世代GT-Rを作るなら、既存のプラットフォームを調整し、ハイブリッドかEVのパワートレーンを採用しながら、アリアなどで使われている次世代の4WDシステムを搭載すべきではないか。でも、GT-Rは日産ライナップの頂点だから、それにかかわらず、とにかく凄い技術の進歩を見せてほしいものだね。日産、よろしく!

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター ライオン

ForbesBrandVoice

人気記事