2023.03.05

驚きの高値がつく名車「GTR-R34」新型への強い期待が止まらない

photo by Gettyimages / Florian Seefried

爆発的なパワーと「価格」

R34の最高出力は、聞く人によっては320−350psもあったという。ECUの調整を行えば、瞬時に350psを超えるパワーを発揮することができる。しかし、このクルマの魅力は、シャシーとエンジンがレーシングカーをベースにしており、チューニングによって800psを超えるパワーを発揮することができることだ。それだけのパワーに耐えられるクルマだったので、じわじわと全世界にその名は知れ渡った。

では、車体数はどうなのだろうか。日産によると、2000台以上がスクラップや、破壊され、レース用になったり、将来の値上がりを見込んで秘匿されたため、世界市場には9000台ほどしか残っていないという。そのため、価格は高騰することが予想される。

GT-Rの専門家で、『ワイルド・スピード』のアドバイザーであるクレイグ・リーバーマンが言うように、2003年に公開された2作目『ワイルド・スピードX2』のために米国に持ち込まれたGT-Rは、30万ドル(約4000万円)を超える価格で取引されるだろう。リーバーマン氏は、自身の愛車を改造して映画に出させたのだから、誰よりも詳しいはずだ。

映画と関係のないGT-Rについては、classic.comによると、それなりの状態のベースモデル(6種類ほどの特別仕様があることを考えると)が約11万ドル(約1500万円)、保存状態の良いモデルが約18万8000ドル(約2500万円)で取引されているそうだ。クラシックなGT-Rがどれほどの価格で取引されているかというと、最近のオーストラリアのオークションでは、希少な2002年モデルの「Skyline GT-R R34 M-Spec Nur」(映画では使用されていない)が450000米ドル(約6100万円)という記録的な価格で落札されている。

GTR-R32

GTR-R32

GTR-R33

GTR-R33

「新型車」の噂。電動化?

さて、上述のとおり、GT-Rの年代ものが高額で販売されていることは、GT-Rの人気ぶりを反映してるけど、GT-Rに未来があるのか? 新車が出るのか? 

業界の情報源に聞くと、日産は今、次世代のモデルの開発に励んでいるという。ここで触れている次世代モデルというのは、今年1月に東京オートサロンで公開された24年モデルではなく、新しいボディや新しい電動化のパワートレーンを採用する全く新鮮なGT-Rの話だ。

正直なところ、オートサロンで登場した24年モデルは、ハイブリッド仕様に生まれ変わるという噂があったけど、実際にデビューした2種類のモデルは、そのままのターボ付きV6ガソリンエンジンが搭載。それを見た欧米のメディアは、「オイ、オイ、そろそろ16歳となる07年登場のR35モデルは、10回ほど化粧し直し、エンジン性能や足回りを微調整を受けてきているので、いいかげんに生産中止にして、次世代に移った方が良いんじゃないの? 世界はEVに向かってるんだよ」などと批判が出た。
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文=ピーター ライオン

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