司法省はシリル・グレゴリー・ブヤノフスキー(59歳)とダグラス・ロバートソン(55歳)を、共謀、必要なライセンスを持たない規制品の輸出、輸出申告の偽造、違法な商品の密輸の罪で起訴した。
有罪判決を受けた場合、彼らは、規制品の無許可輸出の各件で最高20年、密輸で最高10年、共謀と記録改ざんの件で最高5年の刑に処されることになる。
司法省の申し立てによると、ブヤノフスキーとロバートソンは、彼らが所有・運営するKanRus Trading Company(カンラス・トレーディング・カンパニー)という会社を通じて、ロシア企業に「Western avionics equipment」(航空機の電子機器)を供給した。
また、司法省によると、彼らはロシア製飛行機に使用される米国製機器の修理サービスも提供していたとのことだ。
起訴状によると、ブヤノフスキーとロバートソンは、機器の「真のエンドユーザー」と最終目的地を偽り、ロシアに直接ではなくドイツを含む他の国に発送することで、米国の対ロシア輸出法を回避していたという。
司法省によると、米当局は2022年2月、ロシア軍がウクライナに進駐し、ロシアのプーチン大統領が首都キーウを含む空爆を開始したタイミングで、KanRusが輸出した航空機器の貨物を拘束した。一方、商務省は昨年2月、ブヤノフスキーとロバートソンに対し、ロシアへの機器輸出には特別なライセンスが必要だと通知したが、彼らはアルメニアとキプロスを通じて、夏までライセンスなしでロシアに技術を出荷し続けた。
米国と西側同盟国は、昨年2月にロシア軍がウクライナに侵攻した後、ロシアを対象とした新たな輸出規制を実施した。国務省によると、輸出規制は昨年実施されて以来、ロシアが他国で生産された先端技術へのアクセスを損なわせているという。国務省は、ロシアが半導体を含む重要な技術の輸入に「苦労」しており「海外で入手できなくなった既存の航空会社の部品を共食いさせる」ことを余儀なくされている中で起きた行為だと書いている。
(forbes.com 原文)