「フェイスブック、インスタグラム、ティックトック、Twitter(ツイッター)、Snapchat(スナップチャット)は対価を支払ったユーザーのみがコンテンツなどを閲覧できるようにするペイウォールをまだ導入していないが、アプリ内購入(IAP)で製品/サービスを有料提供しており、アップルとGoogle(グーグル)はアプリ内購入で手数料をとっている」とモバイルデータ分析会社Apptopia(アップトピア)の副社長アダム・ブラッカーは説明する。「アップルがATTを導入して以来、ティックトック、フェイスブック、インスタグラム、スナップチャット、ツイッターは四半期のIAP売上高を合計で91%増やした」という。
アップルがiOS 14.5でプライバシー保護を導入する以前は、ソーシャル大手は広告経由でほぼすべての収益をあげていた。
豊富なユーザーデータはより良いターゲット広告を意味し、より良いターゲット広告は特にフェイスブックでより高い収益倍率を生み出した。利用可能なユーザーデータが少なくなったためにターゲットを絞った広告表示が難しくなり、広告収入は打撃を受けた。ソーシャル大手はユーザーからの直接支払いで失われた収入を補おうとしているようだ。
現在、スナップはSnapchat+を年間40ドル(約5500円)で、ツイッターはTwitter Blue(ツイッターブルー)を年間115ドル(約1万6000円)で提供している。どちらのプログラムもプラットフォームへのプレミアムアクセスや、有料会員限定の機能を提供している。フェイスブックとインスタグラムは主にフォロワーやファンに対して、お気に入りのクリエイターへの報酬支払いや投稿を目につきやすくするための方法を有料で提供している。
ティックトックは何よりもクリエイターへの報酬に重点を置いており、売上高は他のすべてのソーシャルネットワークの合計を上回る。
「ティックトックのアプリ売上高は7四半期連続で伸びている」とブラッカーはいう。「ティックトックは今年これまでのところIAPでフェイスブック、インスタグラム、スナップチャット、ツイッターの合計よりも2億500万ドル(約280億円)多く稼いでいる」という。