オバマ財団は、バラク・オバマ米元大統領と、ミシェル・オバマ夫人によって設立された、次代を担う人々を繋ぎ支援する財団だ。本アジア太平洋リーダープログラムは2019年から始まり、アジア太平洋地域ではすでに270名に及ぶリーダーコミュニティを形成するまでに成長し、過去日本人は6人選ばれている。
そして、リーダーの選出には、“非常に競争率の高い候補者の中から、明確な課題を持ち、少なくとも3年間インパクトのある活動でリーダーシップを発揮してきた者”という条件を挙げている。篠原が携わるスポーツに関する領域で選出されたのは、オバマ財団のアジア太平洋地域としては初だ。
「アジア太平洋の中でこのグループの一員にふさわしいと思ってもらったことに、嬉しさはもちろん、安心したという気持ちでした」(篠原)
篠原の活動は「裏方」だ。前職のIPC(国際パラリンピック委員会)においては「I’mPOSSIBLE(パラリンピックの価値教育を通じて子どもたちの障害への理解浸透を目指す活動)」で2020東京大会とそのアワードに尽力し、また、ローレウスに移ってからは、テニスプレーヤー大阪なおみやナイキとともに、女の子のスポーツを通じた人生の変革を掲げる「プレー・アカデミー with 大坂なおみ」をリード。サポート企業・団体や、運営場所などの調整にも奔走した。
主役はいつでもプレーするアスリートや子どもたち、そしてスポーツで何かを次世代に伝えたいと願った指導者たちだった。主役をそれぞれの目的に導く裏方の役目で、その尽力とリーダーシップをオバマ財団に認められたことが、篠原の「安心」という言葉につながったのだろう。