自転車の事故を減らす強力なカギとなるか、パナソニックと京セラ、トヨタらの実証実験

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自転車の重症または死亡事故は、警視庁の調べでは減少傾向にあるとのことですが、自動車と衝突する事故は全体の約8割と多く、そのうちの約半数が交差点で起きています。パナソニック サイクルテックなどが2022年に自転車ユーザーを対象に行った調査では、見通しの利かない交差点で死角から接近する自動車に気がつかず、事故を起こしそうになった経験のある人は約6割にのぼっています。

そこで、パナソニック サイクルテック、パナソニック システムネットワークス開発研究所、京セラ、トヨタ自動車、豊田通商の5社は共同で、電動アシスト自転車と自動車とを無線でつなぎ、見通しの悪い交差点での事故を回避するシステムを開発し、実証実験を行うことにしました。

これは、カーナビやETCなどを支える「高度交通情報システム」(ITS)を利用しています。実験では、ITS向け専用周波数760メガヘルツの無線装置を使います。装置は、走行中の電動アシスト自転車と自動車が見通しの悪い交差点に向かって走行すると、双方に接近を知らせ、減速を促します。自動車の運転手がそれを認識して停車すると、自転車から自動車へお礼のメッセージが送られます。

この実験は、神奈川県横浜市の京セラ事業所内にあるテストコースで行われますが、さらに公道での実証実験を実施した後、2025年以降の社会実装を目指すということです。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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