法案はフロリダ州上院で少数派院内総務を務めるローレン・ブック上院議員が提出した。走行中の車の窓から犬が頭を外に出すことを禁じ、違反すれば刑事処分の対象とはならない交通違反の罪に問う条項を盛り込んだ。
さらに、犬を膝の上に載せたまま車を運転したり、車のボンネットやフェンダー、ルーフの上や、オートバイに載せて走行したりすることも禁止。犬を同乗させる場合は、サイズの合ったケージに入れるか、ハーネスや犬用シートベルトを装着させるか、もしくは運転手以外の同乗者が付き添うことを義務づける内容だった。
地元紙タンパベイ・タイムズによると、車窓からの犬の顔出し禁止については全米から批判や不満の声が数多く寄せられたため、ブックは「人々に好まれていないことがはっきりした」と判断。法案全体が州議会の上下両院で廃案となってしまわないように、問題部分を削除することを計画しているという。
この法案は一見すると、時の権力者たちが「あなた自身のため」という名目で、人々がこれまで楽しんでいたことをまた一つ奪おうとした行為にも思える。ワンちゃんが車の窓から顔をのぞかせ、風を浴びながら舌を出している姿を見て、嫌な気分になる人などいるだろうか。
とはいえ、車を運転する人や愛犬家は、犬が車の窓から頭を突き出した場合、どんなことが起きうるのか、また、それがなぜ犬にとってよくないのかは知っておいたほうがよいだろう。