カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置くウェイモは、2022年10月にカメラやLiDARなどのセンサーを積んだJaguar(ジャガー)製の電動クロスオーバー車両「I-PACE」のテスト走行を開始したが、今後数週間のうちに人間のセーフティドライバーが同乗しない「完全な自律走行」を開始すると、同社の最高安全責任者のマウリシオ・ペニャはフォーブスに語った。
このテストはまずサンタモニカで行われ、他の地域に広げていくという。
「まずは密集した都市部でテストを行った後に、規模を拡大していく」と、ペニャは述べたが、有料サービスの開始時期については明言しなかった。「現時点でスケジュールは確定していないが、当社は商用サービスの開始に必要なすべての手順を踏んでいる」と彼は語った。
自動運転車両の導入は、今から5、6年前にこのテクノロジーの提唱者が想像していたほどは進んでいない。さらに、昨年はフォードとフォルクスワーゲンが共同で立ち上げた新興企業、Argo AI(アルゴAI)の事業を突如停止させたことで、業界に動揺が広がった。
アナリストや関係者は、厳しい資金調達環境や商用化への道のりが遠いことを理由に、今年はさらに多くの新興企業が撤退すると予想している。また、この分野で最も資金力のある企業の1つであるウェイモも、ここ数週間でアルファベットによる人員削減の影響を受けている。
それでもウェイモは、アリゾナ州フェニックスで米国初の有料ロボタクシーサービスを開始し、サンフランシスコとロサンゼルスにそれを拡大予定だ。しかし、州の自動車局(DMV)の承認を受けない限り、同社はカリフォルニア州で有料サービスを開始できない。
筆者は今月、サンタモニカで人間のセーフティドライバー乗せて走行するウェイモのテスト車両に同乗したが、以前のテストの際よりも改善が見られ、原因不明の急ブレーキや、交差点での過度に慎重な運転操作はなかった。
しかし、いくつかの交差点では、運転が慎重すぎるという苛立ちがこもったクラクションを後方の車両から浴びせられた。
ウェイモに入社する前は、宇宙開発企業ヴァージン・オービットで安全システムに関わっていたペニャは、こうした問題に日々取り組んでいるという。
「安全は私たちの優先事項であり、私たちのフォーカスだ。ウェイモは、利用者の安全を守ると同時に、彼らを喜ばせることができるようになりたいと考えている」と彼は語った。
(forbes.com 原文)