心と体がととのう、食べる瞑想「Zen Eating」とは

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マインドフルネスの認知度が高まるにつれ、瞑想を日常に取り入れようという動きが活発化している。しかしながら、いざ瞑想を始めても、すぐに集中力が途絶えてしまったり、途中で居眠りをしてしまうなど、なかなか習慣化できないという声もあるのが実際のところだ。

そんな方にぜひおすすめしたいのが、食べる瞑想「Zen Eating」である。

心がととのう食べ方

「例えば運動って好きじゃない人はやらないと思うんですが、食べることは誰しも毎日行うじゃないですか。そこに瞑想を取り入れるので、誰でも簡単に実践できるんです」

こう語るのは、「食べる瞑想 Zen Eatingのすすめ(笠間書院)」を上梓したももえ氏。彼女自身、かつてインドで2年間ヨガと瞑想に勤しんでいたにも関わらず、帰国後は仕事に忙殺されて、瞑想が進まない時期があったという。

「あんなに私の心をととのえてくれた瞑想よ、どこへ行っちゃったんだ……と。そんな時に私を救ってくれたのが、食べる瞑想でした。食べる動作や五感への刺激があるので自然と集中でき、これなら毎日、無理なく続けられると感じたんです」

そうして食べる瞑想を実践し始めると、体が本来持つ感覚が目覚め、食材とのつながりに思いを馳せることで安心感が高まり、日々の暮らしが豊かで恵まれていると感じるようになったという。この経験を人々にシェアしたいという想いから、Zen Eatingの活動は始まった。
インドで暮らしていた際、インド人の日常に瞑想が取り入れられていることを体感し、瞑想を特別なものにしないというZen Eatingの思想に繋がった。

インドで暮らしていた際、インド人の日常に瞑想が取り入れられていることを体感し、瞑想を特別なものにしないというZen Eatingの思想に繋がった。


ももえ氏が提唱するZen Eatingは、瞑想を土台にした心がととのう食べ方。何を食べるかよりもむしろ、どう食べるかを重視し、食べる場をととのえたり、五感やおなかなどの感覚に意識を向けたり、食べながら命の循環を感じたりと、食べる際の意識を変えることに重きを置いている。

「食べることに気を使っている人は結構多いと思います。でも、たんぱく質をこれぐらい、食物繊維を補給して……と、食事が栄養補給のためのサプリメントのような扱いになっているケースも見受けられます。あるいは、スマホを見ながらただ腹を満たすためだけに食べるなど、思い当たる方も多いのではないでしょうか」

消費するように食べるのではなく、もっと身体感覚に根ざした食べ方をする。そうしていくと、美味しさを自分で判断できるようになり、腹の底から自信を取り戻せるようになる。

「それは心がととのうだけではなく、生きる喜びを味わうことだと思うんです」
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文=国府田 淳

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