心と体がととのう、食べる瞑想「Zen Eating」とは

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Zen Eatingでは主に、下記に挙げる4つの所作を提案している。

1. 場をととのえる
テーブルや机には、食事以外のものを極力置かないようにする。お箸や食器なども美しく整え、ひと呼吸おき、“さぁ、いただくぞ”というととのうモードに頭も体も切り替える。

「スマホを見ないようにするだけでも、意外と難しいことに気づきます。また、仕事場で食事をする場合、パソコンを閉じ、デスクを整理するだけでも、心の切り替えができ、午後の仕事の効率も上がるのではないでしょうか」

2. 五感を活用する
目で見て、香りを感じた後で、味覚を楽しむ。その際、口全体で味わったり、味の変化を感じ取る。手ざわり、舌ざわり、歯ざわりなどの触覚、噛む音、飲み込む音などの聴覚にも意識を傾ける。

「人間は情報の8割を視覚から得ていると言われています。視覚以外の感覚もたくさんあるんだということに気づき、五感を頼りに食べることで、自分の体への信頼感が高まります。眠りきった五感をゆり起こし、頼りにしましょう」

3. おなかの声を聴く

「時間になったから食べよう、というように義務として食事をしたり、体に良い野菜やスーパーフードだから食べよう、というように商品情報を食べているというケースが多いと思います。おなかに直感を尋ねると、腹で決めるという習慣が身につき、体はもちろんメンタルの調子まで良くなります」

4. 命や繋がりを意識する
食べることは、命をいただくこと。食事は、地球の大きな循環の中で自分は生かされてるんだ、という感謝の念を感じられる機会だでもある。

「当たり前のことですが、意外と思い出す機会が少ないのではないでしょうか。食べ物を体のために利用するという感覚ではなく、命や愛を受け取るような感覚が芽生えれば、自分は地球と一体だ!という実感が湧き、安らぎを得ることができます」

学生時代から坐禅を始め、卒論テーマは「禅と日本文化」と、禅文化に造詣の深いももえ氏。僧侶向けにワークショップも提供。

学生時代から坐禅を始め、卒論テーマは「禅と日本文化」と、禅文化に造詣の深いももえ氏。僧侶向けにワークショップも提供。


こうして改めて食べることに意識を向けてみると、我々は普段いかに何も考えずに食べているということに気づく。食べることが「いただく」ではなく、「こなす」になってしまっているのだ。
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文=国府田 淳

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