サービス

2023.03.02

エモショーンファーストな「空間づくり」の可能性、感情をリアルタイムに解析するシステム

プレスリリースより

特定の空間にいる人の表情や行動から「ウェルビーイング状態」を分析してデータ化するサービスを乃村工藝社が開始しました。このデータを活かすことで、利用者の感情に寄り添った心地よい空間デザインや運営が可能になるということです。

乃村工藝社は商業施設などの企画、設計、施行、運営管理を行う空間の総合プロデュース企業です。この空間DXサービスには、グループ傘下のイノベーション・ラボラトリーNOMLABが提供する「emograf」という、人の表情をリアルタイムで解析し感情を推測、可視化するシステムが使われています。人の性別や年齢層も識別できるほか、複数の人の表情も同時に取得できます。また、人の動きを把握する人流解析と併用することで、感情を基準とした人の行動を空間的に捉えることもできます。

このサービスで取得されたデータの使い道として、乃村工藝社は2つの提案を行っています。ひとつは「ウェルビーイング空間への活用」です。オフィス、病院、高齢者施設などでの笑顔が多く見られるエリアや時間帯の分析結果、または商業施設や観光施設などでの接客に対する利用者のポジティブな感情が買い回りに与える影響の分析結果を、内装デザインやレイアウト、運営計画の改善に役立てるというものです。

もうひとつは「コンテンツ演出への活用」です。利用者の笑顔を引き出したり、感情に連動した演出効果でコンテンツの体験価値を高めたりするというものです。映画、演劇、イベントなどに観客の笑顔に反応する演出を取り込む、または、表情から推測される感情を分析すれば、アンケートでは知り得ない情報をもとにした娯楽性の向上が期待できるとしています。

乃村工藝社では、2月6日から17日にかけて、自社オフィス内で空間DXサービスの実証実験を行いました。その結果をもとに、施設への提供を目指したサービスデザインの開発を進めるとのことです。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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