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2023.02.28

「送迎バスの園児放置」を繰り返さない、4月から設置義務となる置き去り防止装置の仕組み

プレスリリースより

近年、園児の送迎用バスにおいて、幼児の置き去り事故が相次いだことで、国土交通省は2022年12月に「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン」を策定。今年の4月から幼稚園や保育園など全国4万代を超える送迎バスに、ガイドラインに適合する装置の設置が義務化されます。

それに伴い各メーカーは、「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置」として認定される製品の開発に取り組んでおり、次々と発表されています。

パイオニアでは2022年3月に発売した、次世代通信型ドライブレコーダーやスマート音声ナビ、Wi Fi スポット機能などさまざまな機能を搭載したAI搭載通信型オールインワン車載器「NP1」に、車内の置き去りを防止する「降車時確認機能」と「自動検知機能」を新たに搭載。実際に川越市内にある3つの幼稚園に協力してもらい、実証実験を行った上で、園の業務を踏まえた使い勝手を追究した仕様に取り組んでいるとしています。製品は4月より順次出荷の予定です。

また三洋貿易では、欧州企業で車内の乗員検知センサーの大手IEE S.Aが開発したバス用子ども置き去り検知システム「LiDAS(ライダス)」の実証実験を日本の幼稚園で開始。LiDASは2020年より量産され、米国のスクールバスに搭載されているシステムで、眠っている新生児の呼吸によるわずかな胸の動きを検知できるミリ波レーダーを使用し、毛布やシートの下に隠れていても検知可能としています。今回の実証実験で、ガイドラインに準拠した調整や通信環境の対応を行い、3月より日本市場に投入する予定です。

設置の義務化は、1年間の経過装置が設けられていますが、設置されているか否かはその園にお世話になるか否かの判断材料になるかもしれません。ヒューマンエラーを補完するこうした装置は、導入にそれなりの費用はかかりますが、子どもたちを安心して預けられる早急な環境づくりが必要ではないでしょうか。

プレスリリース:パイオニア「音声と通信でドライブ環境を革新するオールインワン車載器『NP1』特別仕様モデル が、内閣府の『送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置』 として認定」、三洋貿易「三洋貿易、バス用子ども置き去り検知システム『LiDAS』の実証実験を開始」より

文=飯島範久

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