ブロックチェーン投資を急減させたソフトバンクの苦境

ソフトバンクグループCEO孫正義(Getty Images)

米メジャーリーグの公式NFTコレクションを擁するNFTスタジオのCandy Digitalは、2021年10月のシリーズAでソフトバンクから評価額15億ドル(約2030億円)で、1億ドル(約140億円)を調達した。しかし、2023年1月に行われた同社のシリーズAの拡張ラウンドにソフトバンクは参加せず、Galaxy Digital、10T Holdings、ConsenSysの3社から3840万ドル(約50億円)を調達した。

LinkedIn(リンクトイン)を確認すると、ソフトバンクの投資家でCandy Digitalの取締役会のオブザーバーだったアーロン・ウォンは1月にその職を離れていた。

慎重なスタンスを続けるSVF

ソフトバンクのビジョン・ファンド2が、業界にとって苦しい1年の後、暗号資産関連のハイリスクな投資から離れたいと考えるのは驚くことではない。SVFは昨年秋の暗号資産取引所FTXの崩壊で1億ドルの損失を被ったが、その前の2022年の上半期に335億ドル(約4兆5270億円)を失っていた。

暗号資産分野の投資が活発化した2021年から2022年初頭にかけて、ビジョン・ファンド2は14社に最大4億5000万ドル(約610億円)を投資していたが、それでもこの分野への投資額は、SVFの保有資産の1%未満に過ぎないと、マッコーリーキャピタルのアナリストのポール・ゴールディングは述べている。

「ソフトバンクは、ブロックチェーンのインフラへの投資に継続的な関心を持っている。しかし、全体として、彼らのエクスポージャーはかなり慎重だ」とゴールディングは分析した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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