キャリア

2023.02.26

多くの人が苦しむ「インポスター症候群」 5つの対処方法

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自分がまるで詐欺師のように思え、自分の能力を低く評価したことはないだろうか。期待に応えられないことを恐れるがあまり失敗してしまったり、自らの業績を素直に受け入れられず、自分は称賛に値しないのではないかと疑問を抱いたりしたこともあるかもしれない。

そう思ってしまう人は、あなただけではない。

医学誌「Journal of General Internal Medicine」で発表された研究論文によれば、自分の成功が偽りのように思えてしまう「インポスター症候群」(インポスターは詐欺師・ペテン師の意味)に苦しむ人は82%に上る。誰が見ても成功しているのに、自分をどうしても過小評価してしまう人は多いのだ。

皮肉なことに、大きな成功を収めた人は、とりわけインポスター症候群に陥りやすい。たとえば、仕事で些細なミスをするたびに、くよくよ思い悩んだり、成功できたのは単に運が良かったからだとか、自分以外の力によるものだったと思い込んだりする。また、自分の能力やスキルを現実的に判断することができない。

インポスター症候群を放置しておくと、甚大な影響を生む恐れがある。不安障害やうつの発症につながることもあれば、仕事で思い切った行動をとれなくなったり、燃え尽きたりすることがある。

そこで、キャリアを歩んでいく上で陥りがちなインポスター症候群に立ち向かう方法を5つ紹介しよう。

1.信頼できる人に、気持ちを打ち明ける

人間とは奇妙なもので、心の中に存在する先入観のせいで認識が歪んでしまいやすい。自分自身や、自分の成し遂げた業績について、自分にはそんな価値はないとか、「運」がよかったからだとか、他に要因があったからだと思い込んでしまうことが多いのだ。

しかし、自分の考えと事実は、大きくかけ離れている可能性がある。誤った考え方で自らを責めたりせず、信頼できる人に気持ちを打ち明けてみよう。自分の視点ではなく、友人やメンター、同僚の視点を通じて自分を見直してみれば、偏りのない視点を持てるし、自分に対して思いやりのある見方もできるだろう。そうすれば、自分は成功や賞賛に値しない人間だという気持ちは薄れていく。

2.自分を批判するのでなく、応援する

昇進できなかったり、転職希望先から不採用通知を受けたりしてがっかりすると、どうしても自分を責めてしまう。けれども、「自分には才能がない」と悲観してしまっている状態をしっかりと意識すれば、それがどんなに自滅的な行為であるかが分かる。そうすれば、自分に対して語りかける言葉に気を配り、自らを応援するような言葉に置き換えられるようになるだろう。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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