2023.02.24 12:00

新型プリウスで「CO2削減」狙うトヨタの主張は正しいのか?

課題はリチウムの供給不足

一方、トヨタのプラットは、今後数年のうちにリチウムが不足する可能性があるため、政府や環境保護団体が期待するほどには、EV市場の急速な拡大が見込めないかもしれないと語る。「新たなリチウム鉱山の設立には10年から15年が必要な一方で、バッテリー工場は2年から3年で新設できます。つまり、大きな供給不足に陥ることが予測されます」と彼は語る。

四半世紀にわたってハイブリッド車市場で優位に立ってきたトヨタが、ハイブリッド車に大きく依存するアプローチを取るのは利己的なことにも思える。同社は、クロスオーバーEVのbZ4Xを販売しており、新たなCEOの下でEV計画を加速させるかもしれないが、ハイブリッド車は2020年代を通じてトヨタの戦略の大部分を維持する見通しだ。

2023年モデルのプリウスの価格は約2万7000ドル(約360万円)からで、米国モデルの燃費は1ガロン当たり57マイル(1リッター当たり約24.2km)だ。また、この新型車は先代の整形外科用のシューズのようなデザインを脱して、洗練された魅力的な外観になっている。さらに、今年後半に発売されるプラグイン版は、2022年モデルのプリウス・プライムの電動走行距離を大きく上回ると見られている。

地球上のCO2の蓄積を遅らせるためには、あらゆる手段が必要だとプラットはフォーブスに語った。彼は、CO2の急激な増加を、排水の遅い浴槽に水を注いであふれそうになっている状態に例えた。

「植物や海が吸収する以上のCO2を、人類は今、出しています。浴槽から水があふれるように、地球の温度は上がり続けるでしょう。CO2を減らすためには、単一の種類の車、つまりオールEVのアプローチよりも、様々な種類の電気自動車を組み合わせたアプローチの方が有効です」とプラットは主張した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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