健康

2023.02.24

睡眠改善で寿命が数年延びる可能性 米研究結果

Getty Images

毎晩7~8時間眠る良い睡眠習慣を持つと、健康全般が改善し、早期死亡のリスクが減る可能性があるとした研究結果が23日、米国心臓病学会で発表された。米国の全死亡者の約8%が睡眠パターンの悪さに起因していると推測されるという。

研究チームは、米疾病対策センター(CDC)が毎年行っている国民の健康状態についての調査に回答した米国の成人17万2321人のデータを分析。睡眠時間、入眠困難、睡眠維持困難、睡眠薬の使用、睡眠後の十分な休息感の5要素を評価した。

良い睡眠習慣を持つ人は、全体的な死亡率が30%低かった。心血管疾患で死亡する可能性は21%低く、がんで死亡する可能性は19%低く、心臓疾患やがん以外の原因で死亡する可能性は40%低かった。

5要素すべてが良好だと答えた人は、平均寿命が男性で4.7年、女性で2.4年長かった。研究チームの一人であるフランク・チアンは、男女で平均寿命に差が生じた理由をより良く理解するためにはさらなる研究が必要だと述べている。

米国睡眠協会によると、米国で睡眠障害のある人の数は7000万人と推定されている。

CDCによると、質の良い睡眠を十分とることは健康向上と関連していることが分かっているが、その効果に関する直接の研究は最近まで行われていなかった。米国心臓協会は、睡眠パターンが不規則な人は規則的な人よりも心臓病を発症する可能性が約2倍高いと指摘しているが、睡眠が心臓にどのような影響を与えるかはまだ分かっていない。

これまでの研究では、不規則な睡眠が心臓の体内時計を乱し、心拍数や血圧などに変動をもたらす可能性が指摘されている。また、睡眠不足が意識に影響を与え、不安やうつ病につながる可能性も指摘されている。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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