この問題は、モルモン教会員で教会の関連団体エンサインピーク・アドバイザーズの元幹部、デビッド・ニールセンが内部告発したことで明るみに出た。ニールセンによると教会側は寄付者を欺いて資金を集め、巨大なファンドを組成していたという。エンサインピークは教会傘下で投資の管理・運用を担っている非営利団体。
SECによると、エンサインピークは1997年から2019年にかけて教会の株式投資に関する情報を開示せず、同社ではなく複数のペーパーカンパニー名で書類を提出。これにより「教会のポートフォリオを見えにくくしていた」とされる。
SECは、教会側はこうした行為によって連邦法に違反したとして提訴。教会側は和解のため、モルモン教会が100万ドル、エンサインピークが400万ドルをそれぞれ支払うことに応じた。
ファンドの規模は2018年までに約320億ドル(約4兆3000億円)に膨らんでいたという。米紙ワシントン・ポストによると、ニールセンはこのお金について、エンサインピーク内ではイエス・キリストの再臨の際に使われると説明されていたと明かしている。
SECがモルモン教会の投資慣行をめぐり調査に入ったことは、先に報道で明らかになっていた。
(forbes.com 原文)