産業用大麻「ヘンプ」は、究極のサステナブル素材?

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ヘンプは産業用大麻とも呼ばれ、日本では昔から繊維素材の「麻」として活用されてきたアサ科の植物である。
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一口に「麻」といっても、リネン(亜麻)、ラミー(苧麻)、ヘンプ(大麻)、ジュート(黄麻)といったさまざまな種類があるのだ。

ヘンプと日本で違法とされているマリファナとの違いは、"ハイになる"成分THCの含有量。ヘンプのTHC含有量は基本的に0.3%以下であるのに対し、マリファナは10〜20%にもなる。

日本での栽培は厳しく取り締まられているが、アメリカでは2014年に研究目的での栽培が許可され、2018年には全国的に合法化された。
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今回は、そんな今後の普及が期待される植物「ヘンプ」のサステナブルな性質を解説していく。

少しの水で育つ


ヘンプは年間降水量100〜200mmの土地でも栽培できた事例があり、砂漠緑化の手段として注目されている。

さらに、山腹地や荒地、塩分(アルカリ性)を含む土壌など、通常は農作物を育てるのに適さない「不良土」と呼ばれるような土地でこそ、質の高い麻が育つとされている。

収穫時に落ちる落ち葉が土壌を潤し、深く根を張って土を耕してくれるため、微生物が増えて豊かな土壌になるのだ。

農薬・化学肥料が不要

ヘンプは非常に成長が早く、種まきから収穫までをおよそ90〜100日という短期間で行える。雑草よりも早く成長するため、除草剤を使わなくても問題なく育つ。

害虫にも強く、栽培において農薬・化学肥料が不要なため、生態系や健康への影響が懸念されている遺伝子組み換えである必要もない。

一部の地域では、麦やトウモロコシなど輪作体系の中でも栽培することができる。

大量のCO2を吸収


麻は、栽培過程において木材よりはるかに多くのCO2を吸収するといわれている。

極端な気候の地域を除き、ほとんどの場所で簡単に栽培できるため、環境にとってマイナスにならないどころかプラスの効果をもたらすことさえ期待されている。

ヘンプから作られた製品は生分解性を持つため、生態系への影響も最小限に抑えることができる。
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文=エシカルな暮らし編集部

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