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2023.02.24 08:30

海馬のAI解析を起点に世界から認知症をなくす

井上:海馬が萎縮している現実を突きつけられるだけだと危機感で終わりますが、それが健康な元の状態に戻るというのが見えてくると、ポジティブな気持ちになれますから、インパクトは大きいですね。

樋口:実際、私も「BrainSuite」では同年代の平均的な男性よりも海馬が萎縮していると評価されて、すごくショックでした。そこから3カ月間、週に1度は会社から自宅まで走って帰るということをやってみたのですが、仕事が忙しくなると続けられなくて。それで、私のような人でも行動変容を続けられる方法として、予防アプリの開発を進めています。

瀧:自分が欲しいものは他人も欲しいですからね。この視点が大事です。

井上:認知症は世界的に大きな問題。少しでも症状のある人が減れば、その何乗もの人たちが救われます。超高齢社会に突入し、最も研究成果がたまっている日本から世界が欲するソリューションを生み出したいですし、CogSmartと一緒につくりたいと強く思います。


いのうえ・ともこ◎オムロンベンチャーズ代表取締役社長兼オムロン グローバルコーポレートベンチャリング室長。現・三菱UFJ銀行、産業革新機構を経て現職。一橋大学卒、ペンシルベニア大学ウォートン校MBA。博士(生命医科学)。(写真左)

たき・やすゆき◎CogSmart代表取締役・最高科学責任者。東北大学加齢医学研究所 教授、医学博士・医師。(同中央)

ひぐち・あきら◎日本法・英国法弁護士。CogSmart香港子会社を経て2021年10月に本社代表取締役社長に就任。(同右)

文=眞鍋 武 写真=平岩 亨

この記事は 「Forbes JAPAN No.102 2023年2月号(2022/12/23発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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