2014 年の創刊以来、Forbes JAPAN は日本版スタートアップ・エコシステムの発展を目指して、9 度に渡り「日本の起業家ランキング」を実施。この間、スタートアップ業界は着実に発展し、22 年にはスタートアップ育成が正式に国家戦略に位置づけられた。
今回、革新的な技術で新しい市場を創出し、外貨を稼ぎ出すことが期待されるディープテックに着目。「グローバルに飛躍し、世界に大きなインパクトを与えるか」という観点で、最初の外部資本導入から7年以内の次世代のディープテック(未上場のみ)を対象としたランキングを新設、TOP10を選出した。
1位に輝いたのは、カーボンニュートラルな発電が可能な核融合の主要装置やコンポーネ ントを開発する京都フュージョニアリング。2位には、独自の「PRIME技術」を利用した固形がんに有効なCAR-T細胞療法を開発するノイルイミューン・バイオテック、3位にはiPS細胞由来の再生心筋により、心不全患者の治療を目指すHeartseedがランクインした。TOP10は以下の通り。
日本発エマージング・ディープテックTOP10
1位 京都フュージョニアリング2位 ノイルイミューン・バイオテック
3位 Heartseed
4位 Synspective
5位 GITAI Japan
6位 AIメディカルサービス
7位 リージョナルフィッシュ
8位 Telexistence
9位 SkyDrive
10位 ルカ・サイエンス
TOP10の選出方法は、1. 国内ディープテックに精通するVCなど有識者へのヒアリングおよびアンケート推薦、Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング」の候補企業から80社のロングリストを作成。2. ロングリストをもとに、本誌編集部にて上記観点からショートリスト30社を作成。3. 12人の審査員にショートリスト各社の資料を配布し、分析と評価を依頼。4. 結果を集計し、編集部の責任でTOP10を決定。
選定基準は、「グローバル性」「革新性」「市場性」「経営チーム」「事業進捗と見通し」の5つ。ディープテックは、「世界に新たな価値をもたらす差別化された高度な革新的技術」と定義し、宇宙、ロボティクス、量子コンピュータ、新素材、新エネルギー、ライフサイエンスなど広範なテーマをとらえた。
なお審査には以下の12名に協力いただいた(順不同)。
郷治友孝(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)
鑓水英樹(JICベンチャー・グロース・インベストメンツ)
岡橋寛明(みやこキャピタル)
山岸広太郎(慶應イノベーション・イニシアティブ)
安西智宏(ファストトラックイニシアティブ)
伊藤 毅(Beyond Next Ventures)
永田暁彦(リアルテックホールディングス/ユーグレナ)
村田祐介(インキュベイトファンド)
北澤知丈(ジャフコ グループ)
加藤由紀子(SBIインベストメント)
鮫島昌弘(ANRI)
安永 謙(Global Hands-On VC)
2月25日発売の「Forbes JAPAN」2023年4月号では、上位企業のインタビュー記事やディープテックの最新トレンド解説、注目の40社を厳選した「日本発エマージング・ディープテック」リストなど、内容盛りだくさんで掲載。日本の研究開発型スタートアップの現在地と未来への可能性がわかる第二特集となっている。