経営・戦略

2023.02.22 14:30

配車アプリのユニコーンinDriveが大手VCから200億円借入

安井克至

Getty Images

配車サービスアプリの「inDrive」は、今後の事業拡大を見据え、General Catalyst(ゼネラル・カタリスト)から1億5000万ドル(約200億円)をデットファイナンス(借入)で調達した。

ロシアで設立された同社は、かつてinDriverという社名だったが、現在はInDriveに改め、カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置いている。同社のCEOのアーセン・トムクシーは、業績に連動したかたちで返済を行うこの借入金を新規事業の開発に充てると述べている。

InDriveは、ここ1年で配車サービスに加え、貨物の輸送や便利屋サービスなどを追加した。「今回の資金調達は、新たなコミュニティや新領域への拡大を成功させ続けると宣言した当社に対するゼネラル・カタリストからの信任を反映したものだ」とトムクシーは述べている。

InDriveは2014年にInsight Partnersやゼネラル・カタリストらが参加したシリーズCで1億4000万ドル(約189億円)を評価額12億3000万ドル(約1659億円)で調達し、ユニコーンの仲間入りを果たしていた。ゼネラル・カタリストは声明で「inDriveが持続的な成長を遂げることを確信している」と述べている。

InDriveの2022年の総収入は前年比88%増の伸びを記録したという。調査会社data.aiのデータによると、同社のアプリは2022年に6180万ダウンロードを記録し、世界で最も急速に成長した配車サービスアプリとなった。

クランチベースのデータによると、InDriveはシベリアの都市ヤクーツクで、同地域の未整備な交通サービスを発展させる目的で2012年に設立された。その後、2018年に米国拠点を設け、それ以降は海外市場に注力してきた。同社は2021年にパキスタンに進出し、昨年はシドニーにも拠点を拡大した。また、アフリカやラテンアメリカ、タイを含むアジア地域でも足場を固めている。

トムクシーによると、同社はロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシアから距離を置いているという。「我々はアメリカのトップの投資ファンドに支えられたアメリカの企業だ。ロシア市場はもはや当社にとって重要なものではない」と彼は述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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