映画

2023.02.25

映画史に残る「車破壊監督」トップ10

ジョン・ランディス監督の「ブルース・ブラザース」は一連のカーチェイスで最も多くの車を壊した記録を持っている。(Getty Images)

第95回米アカデミー賞は来月12日に授賞式が開かれるが、最優秀作品賞にノミネートされた10作品の中に、映画界で古くから使われてきた、ある素晴らしい演出を用いているものはない。その演出とは、クラッシュ満載のカーチェイスだ。

自動車と映画の歴史は密接に関わっている。車が中心的役割を果たす初の映画となった「Runaway Match」は1903年に製作され、1912年にはマック・セネットのコメディアングループ「キーストン・コップス」による映画作品がカーチェイスの人気を広めた。

第2次世界大戦後、映画の街ハリウッドと自動車の街デトロイトは歩調を合わせ、車と車文化は近代映画においてますます重要な役割を果たすようになる。それはB級映画でもオスカー受賞作品でも変わらない。

後者の代表、「フレンチ・コネクション」(1971年)では、ジーン・ハックマン演じる「ポパイ」ことドイル刑事が運転する車が、高架鉄道の電車を追跡する白熱したシーンが描かれ、「ブリット」(1968年)以来最高のカーチェイスと評された。

さらには、可能な限り多くの車を破壊するためだけにつくられたような映画もあった。車の大量破壊を初めて行った作品の一つが、ジョン・ランディス監督の「ブルース・ブラザース」(1980年)だ。「神から与えられた使命」をおびたジェイクとエルウッド兄弟が直接あるいは間接的にクラッシュさせた車の数はそれまで映画史上で最多となり、使われた車の多くが退役したパトカーだった。同作は今も、1度のチェイスシーンでの車破壊の最多記録を保持している。

多くの車を解体工場に送り込んだ映画にはこのほか、「ワイルド・スピード」、「トランスフォーマー」、「マトリックス」の各シリーズがある。

英国の自動車スクラップ価格比較サイト「ScrapCarComparision.com」は、アカデミー賞を前に、これまで手掛けた映画作品で最も多くの車を破壊してきた監督のランキングを公開した。1位は、「トランスフォーマー」シリーズ5作品などで知られるマイケル・ベイ監督で、これまでに破壊した車は354台に上った。手掛けた映画の総数は15本で、1作品あたり24台を壊した計算になる。もちろんこれには、CGIで描かれ破壊されたトランスフォーマーは入っていない。

以下に、銅ランキングのトップ10に入った監督と、その代表作、これまでに破壊した車の総数を紹介する。

1位 マイケル・ベイ(「トランスフォーマー」2007年)、354台
2位 ジャスティン・リン(「ワイルド・スピード」2009年)、135台
3位 ジョン・ランディス(「ブルース・ブラザース」1980年)、120台
4位 クリストファー・ノーラン(「バットマン・ビギンズ」2005年)、83台
5位 ルッソ兄弟(「アベンジャーズ/エンドゲーム」2019年)、80台
6位 ジョン・ウー(「ミッション・インポッシブル2」2000年)、77台
7位 リチャード・ドナー(「リーサル・ウェポン」1987年)、61台
8位 スティーブン・スピルバーグ(「レイダース/失われたアーク」1981年)、60台
9位 ポール・グリーングラス(「ボーン・スプレマシー」2004年)、51台
10位 ウォシャウスキー姉妹(「マトリックス」1999年)、45台

レポートの全文はこちらで読める。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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